Photo by iStock

年金は「夫65歳・妻70歳」から受け取るのが正解だった

夫婦のパターン別に徹底解説

年金は、夫婦の年齢や働き方によって、最も得する方法がそれぞれ違う。しかし、年金事務所も国も、ベストなもらい方を教えてはくれない。ならば、自分自身の最適な「正解」を今ここで見つけておこう。

平均寿命まで生きても損をする

政府は、5年に一度の年金財政検証の公表先送りを決めた。参院選対策のためだという。舐められたものである。

15年前、「100年安心」を謳った年金制度は、金融庁の「2000万円報告書」を契機に、私たちを一気に不安に陥れた。

厚生年金の受給者であっても、老後の生活費は月5万5000円も足りず、「老後30年間で2000万円不足する」と言い切ったのだから。

しかし、現実はもっと暗い。物価が上昇しても、年金の上昇を抑制させる「マクロ経済スライド」によって、この先の年金受給額は、もっと減っていく可能性が高いのだ。

「もし物価が年1%で上昇していけば、10年後は物価が10.5%上昇します。ところが年金は現状の調整率であれば、10年後は1%しか上がらない。

年金の価値は、10年間で10%も下がるのです。すると、家計の赤字は月5万5000円どころか、月7万5000円程度になってしまいます」(社会保険労務士・北村庄吾氏)

 

しかし、その不都合な真実を隠し、年金原資を守りたい厚労省は、一人でも受給者を減らすため、年金の繰り下げ受給に躍起になっている。

70歳まで繰り下げれば42%も受給額が増える……年金機構は、パンフレットや「ねんきん定期便」で、繰り返しそう強調している。

騙されてはいけない。

本誌先週号では、「年金は70歳からもらうと損をする」という明白な事実から、安易な繰り下げ受給をせずに、ベストなもらい方を解説した。掲載後、編集部には、読者からの反響電話が鳴り響き、テレビ局からの取材依頼も続々と舞い込んでいる。

なぜ年金機構の口車にのって年金受給を繰り下げてはいけないのか。最大の理由は、「平均的な人は損をする」という点だ。

65歳からの受給と、70歳からの繰り下げ受給を比べた場合、後者の受給総額が前者を上回るのは82歳から。だが、日本人男性の平均寿命は81.09歳。平均的な人は元をとれないのだ。

また、繰り下げによって税金や社会保険料が増えるため、手取り額は、年金機構が言っているほどは増えない。さらに、加給年金や遺族厚生年金などをトータルで考えると、安易な繰り下げの選択は非常に危険だ。

いまや、自分の身は自分で守らねばならない。知識の差が老後の差につながるのだ。

今回は、多くの人が当てはまる合計8パターンの夫婦について、正しい年金受給年齢を解説する。あなたの「正解」も必ずここで見つかるはずだ。