氷点下40度の凄絶…シベリア抑留を描いた漫画は、かくて生まれた

木村多江・おざわゆき『凍りの掌』対談
おざわゆき, 木村 多江

過去の壮絶な経験の上にある、現代の幸せ

――おざわ先生に似てなくてよいと言われたとのことですが、脚本と原作を読まれてのイメージで演じられたのですか?

木村 それだけだと不安だったので、制作スタッフが6時間かけて行ったというインタビュー記事を読ませていただいたんです。

おざわ 私の生い立ちや、作品を書く上で苦労した話、漫画家として成功するための道程、この『凍りの掌』が受賞するまでの経緯などについて聞かれたときのインタビューですね。

木村 それを読んでこういう雰囲気の方なのではないかとイメージしたり、先生の口調をイメージするなどして、あれこれ妄想しました(笑)。実際、今日現場に来られてみて、美術さんが作られたご自宅の感じはいかがですか?

おざわ 家の印象としては大変立派(笑)。ステキなおウチだなあと。こんな家だと認知しておいてください! と言いたいところです(笑)。本当にすごくいい印象で撮ってくださっているのでありがたいです。

今回私の夫役を演じてくださっていた小手伸也さんも、私の夫のことは知らないはずなのに、なんとなく雰囲気とかが似ていて(笑)。もちろん夫よりイケメンでステキな方ですけれど。ドラマの撮影現場を初めて「生」で拝見しましたが、私達夫婦がすごくいい感じにレベルアップしている気がしました(笑)。

 

木村 実は小手さんとは今日初めてお会いしたんですよ。

おざわ 初めてなんですか!? かなり夫婦感が出ていましたけれど。

木村 初めてお会いするので、今朝、どうしようかなって思っていました(笑)。あのー、先生が旦那様と築地を食べ歩きして描かれた共著の本があるじゃないですか。

おざわ 『築地あるき』とか『築地はらぺこ回遊記』とか。

木村 ああいった著書の中でのお二人の仲の良い感じとか、空気感を出したいなあと思っていたので、出るかなと不安でした。

〔PHOTO〕

おざわ 私が漫画を描いて、夫がコラムを書いてという形で執筆したものですが、まさかそこまで読んでくださっているなんて。嬉しいですね。

木村 ドラマの中では戦争と平和という大きなテーマがあって、今の幸せがあるのは、そういう時代を生き抜いた人がいるから…というのが伝わってきますよね。だから今日のエンドタイトル場面の撮影も、多少誇張して幸せ感があふれた感じで小手さんと演じさせていただきました。