おざわゆき先生(左)、木村多江さん

氷点下40度の凄絶…シベリア抑留を描いた漫画は、かくて生まれた

木村多江・おざわゆき『凍りの掌』対談

漫画家・おざわゆき先生が、実父の体験をもとに描いた『凍りの掌 シベリア抑留記』。その作品を描き上げるまでをドラマにした、「ドラマ×マンガ お父さんと私の“シベリア抑留”-「凍りの掌」が描く戦争-」が8月10日にNHK BSプレミアムで放送されます。放送を記念して、おざわゆき役の木村多江さんとおざわ先生ご本人の対談が実現。ドラマ収録真っ最中の現場を、おざわ先生が尋ねました。

 

演じるときの、独特のプレッシャー

木村 シベリア抑留という出来事があったとは知っていても、身近に感じたことはなかったんです。でも今回はおざわ先生のお父様が経験された話で、漫画にもされた真実の話をドラマにしたもの。おざわ先生が皆さんに伝えたいと思われたことを、私も同じようにこのドラマを通じて伝えられたらなあと、そんなことを思いながら、台本を読ませていただいたんです。

木村多江 Profile
3月16日 生まれ。東京都出身。2007年、「ぐるりのこと。」で第32回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞ほか、多くの賞を受賞。

おざわ 私はドラマ化の話を聞いた時は「本当かな?」って思いまして(笑)。正式に進行していますと言われて、本当に決まったんだとすごく嬉しかったです。木村さんが私の役を演じられると聞いたときは、「いいのかな?」って思いました。

おざわゆき Profile
11月13日生まれ。愛知県出身。現在『BE・LOVE』(講談社)で連載中の「傘寿まり子」は第42回講談社漫画賞一般部門を受賞。

木村 私こそ、「いいのかな?」って思ってましたよ! 正直、先生のことをリスペクトして演じさせていただいてますが、不安でならなかったんです。

おざわ ホントですか?

木村 「私、こんなじゃないわ!」って思われたらどうしようとか。だっておざわ先生ご自身を知っている方も、たくさんいらっしゃるわけですし。

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おざわ 木村さんのようなすごい方に演じていただけるなんて、本当に光栄です。どのように演じていただいても、私としては大満足ですよ。

木村 制作サイドからは先生の真似はしなくてもよいと言われていましたし、おざわ先生もそれをご承知の上で「大丈夫」と言ってくださっているとは聞いていました。でも不安感は簡単にはなくなりませんでした。

おざわ でも不思議な感じはありますよね。普通、原作を映像化するときって、役者さんが登場人物を演じられるじゃないですか。それとは違って私自身を演じてくださるということで、すごく不思議な感じがしています。

木村 ですよね。私も実際に目の前にいる方の役を演じるのは初めてなので。歴史上の人物を演じることはあっても、実際に今現在いらっしゃる方を演じるのって逆にすごいプレッシャー。今までにないプレッシャーを感じています。