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日本の地方都市を救うのは「妖怪」か…これだけ観光利用される理由

妖怪ブームはまだまだ終わらない

衰えない妖怪ブーム

妖怪ブームが最高潮に達したのは、2016年の夏あたりだったろうか。

「妖怪ウォッチ」が大流行し、江戸東京博物館で開催された「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」は20万人以上の来場者を集めた。

それから3年経った今年の夏も、川崎市市民ミュージアムの「妖怪/ヒト -ファンタジーからリアルへ-」、広島県立美術館の「追悼 水木しげる ゲゲゲの人生展」、国立歴史民俗博物館の「もののけの夏-江戸文化の中の幽霊・妖怪-」、太田記念美術館の「異世界への誘い-妖怪・霊界・異国」、国立民族学博物館の「驚異と怪異−想像界の生きものたち」など、“妖怪展”“もののけ展”は枚挙に暇がない。

 

ご多分にもれず、じつは私も「災の国 妖怪伝~災害と妖怪・伝承~」という展覧会(埼玉県防災学習センター・そなーえ。8月1日~10月20日)の監修を担当しているのだが……。

そして今年の“妖怪シーン”でこれまで最大のニュースは、広島県三次市三次町の「湯本豪一記念 日本妖怪博物館 三次もののけミュージアム」が4月末に開館したことである。

三次もののけミュージアム(筆者撮影)

三次町が、絵本や絵巻、漫画の題材で知られる「稲生物怪録」の舞台となった町であることが開設のきっかけになった。

日本屈指の妖怪コレクターである湯本豪一が寄贈した約5,000点ものコレクションを展示の中心に据える、常設展示室「日本の妖怪」では、日本人の生活のなかで妖怪たちがどのように捉えられ、表現されてきたかを系統的に紹介。6月23日には、開館から2ヵ月弱で入場者数が5万人に達した。

新しく加わった三次をはじめ、日本の各地には妖怪を町おこしに利用した自治体が少なからず。そのうちのいくつかを概観しながら、本来はまがまがしく恐ろしいはずの妖怪が、地域の期待を集める理由を探っていきたい。