「NHKから国民を守る党」が、本気でNHKを激変させてしまう可能性

なんだか腹は立つけれど…

真の「公共メディア」にするために

私の高校時代の同級生である元NHK記者の相澤冬樹は、森友問題でスクープをものにしたとたん、記者から外され退職した。状況証拠しかないが、彼の人事には官邸からの圧力があったことが推測できる。そうじゃなくてもNHKの職員とディープな話をすると、多くの人が「官邸からの圧力の存在」を口にする。

ただ、何から何までチェックされ、すべて言われるがままというわけでもない。ふだんは内部の自主性が発揮されているが、政権に関わる「あるライン」を超えると強い圧力がやってくるようだ。

政治からの圧力に弱い放送局を「公共メディア」として認めることはできない。ということは、NHKの受信料を国民みんなが負担するためには、NHKのしくみを変える必要があるのだ。

 

今のように首相が事実上指名した経営委員(一般企業でいう取締役の立場)が物事を決済したり、国会で予算を承認するような、つまり事実上与党にお財布を握られている制度で、受信料を国民全員で負担するなどあり得ないだろう。「国営メディア」ではなく「公共メディア」と名乗るからには、国会や政権と完全に切り離された存在となるべきだ。

政権に対しても十分なチェックが働くようなシステムのもとで、NHK=公共メディアを再構築する必要がある。難しい議論だが、そこを乗り越えないとNHKの未来はないと私は思う。

「N国」が政党として正式に登場したおかげで、こういう議論が進むかもしれない。彼らのやり方は無茶苦茶だし、政治を舐めたような言動は時に腹立たしいが、折しもNHKの同時配信が始まるタイミングで彼らが出てきた意義は大きい。

NHKがこれからどんな存在になるかは、この国の言論のあり方にも深く関わる問題だ。「N国」がもたらした議論を生かし、現実の制度設計に落とし込む必要があるだろう。