「NHKから国民を守る党」が、本気でNHKを激変させてしまう可能性

なんだか腹は立つけれど…

「NHKをぶっ潰す!」と過激に叫ぶわりには、彼らの主張の核は「NHKの放送にスクランブルをかけるべきだ」というものだ。現在の「テレビ放送を受信できる機器を持つ世帯は受信料を払う」というルールを、「見たい人だけお金を払ってスクランブルを外す」というものに変えたいというのだ。それがかなえばNHKの存続自体は認めるわけで、実際には「潰す」ことを目指しているわけではない。

だが現行の放送法におけるNHKのあり方からすると、スクランブルをかけるのはありえない。そのことはさっそく、石田真敏総務大臣はじめ政治家たちがアナウンスしている。同大臣は「スクランブル化は民放とNHKの二元体制を損ないかねない」と語ったそうだ。

いまの放送法においては、NHKは公共放送であり、受信可能な国民は公平に受信料を負担すべし、という考え方だ。スクランブル化すればWOWOWのような有料放送と同じになってしまい「公共性」が失われてしまうので、ありえないのだ。

 

ネットでも受信料は取れるのか

ところでNHKは、直近の放送法改正によって「常時同時配信」に取り組むことになった。ようするにネットでテレビ放送と同じ内容を視聴できるようにするのだ。2020年3月までにはスタートすると聞く。

どう見ても東京オリンピックを意識しての動きで、半世紀に一度の一大イベントをいつでもどこでも見られるようにしようというものだ。もちろん、オリンピック終了後も継続する。つまり、来年からNHKは放送でも通信でも視聴可能になるのだ。

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そのことをNHKは経営計画の中で「公共放送から公共メディアへ」というスローガンで表現している。

ただ、一部の人びとが心配するような「ネットでも受信料を取る」ことは、今回の新しい放送法に則っても不可能だ。

NHKの「本来業務」はあくまで放送であり、同時配信を含めてネットでの番組配信は「補完業務」と位置づけられている。割ける予算も収入全体の2.5%に限定されている。これは総務省主催の「放送をめぐる諸課題に関する検討会」での合意事項だ。民放側から、同時配信を認める代わりにこの制約を約束させられた。今後も守り続けるかどうかは、どうもはっきりしないのだが。

NHKのネット事業は、まだそういう段階だ。一歩足を踏み入れることは決まったものの、「補完業務」の域は出ないし、ましてやそこから受信料を取ることはありえない。

だがどう見ても、NHKは「次の段階」としてネットでも受信料を取ることを考えているはずだ。というのも、NHKはここ数年強烈な危機感を隠していない。若い世代が見てくれないのだ。