法改正で「死に方のルール」が変わった…相談急増「4つの変更点」

知らないと、死んでから後悔します
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(2)妻に生前贈与された自宅は遺産分割の対象外に

(1)以外の相続法改正は、7月1日からすでに施行されている。

妻に自宅を遺して死ぬ方法としては、通常の相続と①の配偶者居住権のほかに、生前贈与という方法がある。この生前贈与についても、大きなルール変更があった。

もともと、婚姻歴が20年以上の妻に対して自宅を生前贈与する際には、「おしどり贈与」と呼ばれる贈与税の控除措置があった。2000万円分まで贈与税の控除措置が受けられるものだ。

この贈与された自宅が、相続財産から切り離され、自動的に遺産分割の対象外になるというのが、今回の変更点。

2000万円相当の自宅を妻に生前贈与し、夫の死後に遺された遺産は預貯金3000万円だけだったとしよう(子が1人)。

これまでなら、自宅の2000万円分は遺産の先渡し分と考えられ、預貯金3000万円とあわせた5000万円分を、子と妻で分けなければならなかった。妻の相続分は2500万円となり、結果的に現金は500万円しか受け取れなかった。

しかし今回の改正で、妻は自宅に住み続けたまま、現金1500万円を受け取れることになる。

 

ただしウイークポイントがある。思わぬ費用がかかるのだ。

「生前の贈与では、登録免許税が相続の時に比べて5倍もかかるうえ、不動産取得税(相続の場合なら無税)までかかってきます」(前出・山本氏)

さらに、冒頭の島田さんが陥ったケースを忘れてはならない。これが重要な落とし穴だというのは前出の内藤氏だ。

「法改正後も、妻に生前贈与した自宅は遺留分の侵害額請求の対象からは外れません。生前贈与を使って妻に自宅を渡しても、10年以内に夫が亡くなってしまえば、他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があるのです」

生前贈与を行うときには、他の相続人の遺留分を侵害していないかをしっかり確認しておくこと。これが死にゆく人が最低限守るべきルールに加わったのだ。