法改正で「死に方のルール」が変わった…相談急増「4つの変更点」

知らないと、死んでから後悔します
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(1)妻が「住む権利」のみを相続できる

相続法大改正の目玉が「配偶者居住権」の創設である。夫の遺産が自宅3000万円相当と、預貯金2000万円だったケースを考えよう。相続人は妻と長男のみだ。

通常の法定相続では、夫の死後、妻と長男それぞれが2500万円分を相続する権利がある。夫としては、遺された妻に、そのまま自宅に住んでほしいと思っていた。

しかし、妻が自宅を相続しようとすると、預貯金は1円ももらえないどころか、公平な相続のためには、長男に対して500万円を支払わなければならない。妻に現金の用意ができなければ、家を売らねばならないハメになってしまうのだ。

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家を売れなくなった

これを解決しようとしたのが配偶者居住権だ。

自宅の権利を「居住権」と「所有権」に分け、配偶者が居住権だけを相続できることになった。

この例では、妻が自宅の1500万円分の居住権を、長男は1500万円分の所有権を、それぞれ相続する。妻は夫の死後も自宅に住み続けられるうえ、現金1000万円も相続できることになる。

 

「この制度を使えば、妻の年齢が高齢であればあるほど、現金を多く受けることになります」と語るのは、夢相続代表の曽根恵子氏だ。

「居住権の評価額の計算は、妻の平均余命を用います。妻が若ければ若いほど、それだけ長く住むということで、居住権の価値は高くなる。

その結果、若い妻ほど相続できる現金は減り、高齢の妻ほど増えるというわけです。その妻の年齢の分岐点はおおむね65歳です」

妻が70歳を超えていれば、この新しい制度を使えるよう準備してから死ぬのが正しい。