樹木希林と加藤治子が通った…鹿児島の「がん放射線治療」病院とは

50年来の親友と旅行気分で仲良く通院
週刊現代 プロフィール

よりピンポイントに放射線でがん細胞を焼くことができるため、治療効果が高く、副作用も抑えられるという点をウリにしている。

経過観察などは都内にあるUMSの事務所でも受診できるが、四次元照射治療そのものは鹿児島まで出向かなければ受けることはできない。

ジャーナリストの筑紫哲也氏や大相撲の九重親方など、最後にこの治療に望みをかけた著名人のがん患者も多い。

しかし、UMSの治療は保険の利かない自由診療であり、いわば「民間療法」だ。患者の負担する費用も、標準治療のそれとはケタ違いである。

UMSのホームページによれば、治療費は回数や期間によって変わり、通常で150万~250万円ほど。上限は500万円だと記されている。

ステージⅠの乳がんでUMSを受診した、ある女性患者は「28日間の連続照射で、費用は170万円」だったという。鹿児島までの交通費や滞在費は別途必要になる。

Photo by iStock

「もういやになっちゃう」

希林さんは'07年頃からUMSに通い始めた。

'09年には副腎や脊髄にがんの転移が見つかり、「全身がん」状態になったが、それ以後も定期的に通院し続けた。

UMSには入院施設がないため、提携している近隣の病院に入院するか、ホテルやウィークリーマンションに泊まりながら、1クール10日間から約1ヵ月にわたって治療を受ける。

希林さんはUMSから徒歩10分ほどの老舗ホテルを定宿にしていた。ホテルの関係者が言う。

「希林さんはいつも一人でいらっしゃっていましたね。予約名は『内田』ですし、最初はまさか希林さんだとは気づきませんでした。いつも静かに過ごされていたことを覚えています」

 

そんないつも一人で通院していた希林さんが、珍しく鹿児島まで連れて行った女性がいた。それが女優の加藤治子さん(享年92)だった。

二人の出会いは、'64年のドラマ『七人の孫』(TBS系)だった。その後もドラマ『寺内貫太郎一家』や、『ピップエレキバン』のCMなどで共演するうち、20歳以上も年齢は離れていたが、二人は50年にわたる友情を築いた。

加藤さんは希林さんのことを、昔の芸名の「悠木千帆」にちなんで「チホちゃん」と呼び、希林さんは「ハルコさん」と呼んでいた。

両者と親交があった、作家・脚本家の筒井ともみ氏が振り返る。

「お二人でニューヨークに旅行に行かれたこともあったようです。

ニューヨークの素敵なレストランに行った時、希林さんがプラスチックのタッパーを取り出して『私、いつもこうするのよ』って言いながら、残った料理を詰め始めたらしいんです。加藤さんは『もういやになっちゃう』と笑っていたそうです」