絶好調のテレビ朝日「視聴率三冠」奪取に向けた難題と危機感

テレビがもはや高齢者のものとなる中で
週刊現代 プロフィール

視聴率戦争の終焉

この懸念は杞憂ではない。今年6月12日、幕張メッセで行われた「コネクテッドメディアトーキョー2019」。

メディアのキーマンたちが集まるこのイベントで、「これからの放送はどこに向かうのか」という基調講演に登壇したNHK放送文化研究所の村上圭子・研究主幹が〈テレビはもはや高齢者のメディアになった〉と衝撃的な〝発表〟を行ったのだ。

出席したキー局の局員が明かす。

「NHKが行った様々な調査結果が発表されたのですが、世代ごとに『毎日テレビを観ている人』の割合を調べた結果、60代以上は73%、50代以上は67%と高い数値だった一方で、20代は40%しか観ていないことがわかったといい、さらに、録画でもネットでも『テレビ番組をまったく観ない』と答えた割合が、10代で14%、20代で18%、30代でも13%にも上ったというのです。

若者がテレビを観ていない、と数字ではっきりと突き付けられると、暗澹たる気持ちになります」

若者のテレビ離れそのものを食い止められなければ、どのテレビ局にだって危機は訪れる、ということだ。

 

視聴率三冠の座をかけて、デッドヒートを繰り広げるテレ朝と日テレ。しかし、こうした争いが注目を集めるのも、これが最後かもしれない。次世代メディア研究所代表の鈴木祐司氏が指摘する。

「今後、インターネットに接続したテレビの普及に伴い、単純な視聴率ではなく、何歳の人が何分その番組を見たか、はもちろん、どれぐらい真剣に見たか、までわかるようになります。

クライアントの着目点が変わってきているのに、昔ながらの視聴率を持ち出して三冠になった、追い抜かれたと一喜一憂しても、それがどうしたの?と言われるようになるかもしれない。

テレビ局が60年間しのぎを削った視聴率競争は、間もなく終わりを迎えるのではないでしょうか」

混迷の時代に、答えをいち早く映し出すのはどのテレビ局か。

「週刊現代」2019年7月27日号より