絶好調のテレビ朝日「視聴率三冠」奪取に向けた難題と危機感

テレビがもはや高齢者のものとなる中で
週刊現代 プロフィール

良い番組を作っても、若い世代に観られなければおカネになりづらい。これが、テレビ朝日を襲う「視聴率好調でも苦境」の内情なのだ。

同局の中堅社員は、「業績に連動しているボーナスは今年夏、30歳で前年比12%減、管理職では同15%も減少しました。数字(視聴率)は絶好調のはずなのに……」とボヤき、さらにこう続ける。

 

「早河洋会長兼CEO(最高経営責任者)をはじめとする現経営陣は、『ポツン』の世帯視聴率が『イッテQ』を抜いたと大喜びしていますが、営業・制作の現場は現状に強い危機感を覚えている。

他局は『これからは世代別視聴率が重要だ』と、方針転換をはかっているなか、テレ朝だけが『ポツンと一局』目先の数字を追っている、ということになるのでは……と危惧しています」

別の幹部は、世帯視聴率にこだわるテレ朝の内部事情をこう話す。

「テレ朝の”絶対的権力者”ともいうべき早河会長は、視聴率万年4位から何とか脱却しようとあがき続けた世代です。それだけに今年は『年間視聴率三冠』という長年の宿願を叶える千載一遇のチャンス。『日テレを抜いて民放1位というレガシー(遺産)を何としても残したい』という想いにとらわれているだろう同会長に、個人視聴率の重要性を進言できる奇特な部下など存在しません」

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一方の日テレは「テレビ朝日の猛追」をどう受け止めているのか。日テレの局員が明かす。

「『イッテQ』をはじめ、うちの番組は若い世代が観てくれているうえ、録画で観ている人も多いというデータが取れているので、上層部は『広告収入もしっかり確保できる』と自信をもっています。

しかし現場には危機感も漂っている。いままでは『5年連続視聴率1位』という看板があったから、広告営業もやりやすかった。もしも陥落すれば『1位だから』と広告を出してくれていたクライアントが離れることだって考えられます」

この局員はさらにこんな「懸念」を明かす。

「テレ朝に抜かれることはもちろん、そもそもまったくテレビを見ない若者が増えていることに危機感を募らせています」