絶好調のテレビ朝日「視聴率三冠」奪取に向けた難題と危機感

テレビがもはや高齢者のものとなる中で
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局員たちの危機感

さらに具体的な番組を例に挙げて比較してみよう。「日曜夜の日テレの鉄板ラインナップに風穴を開けた」と話題になった、テレ朝の『ポツンと一軒家』(制作は朝日放送テレビ)。

日テレの『世界の果てまでイッテQ!』を上回る高視聴率を常に獲得するようになったといわれるが、確かに内部資料を見ても、7月7日の世帯視聴率は『ポツン』が20.6%と、『イッテQ』の16.6%を4ポイント上回っている。

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ところが、世代別の数字を見ると、女性20歳~34歳では2.6%対11.9%、男性20歳~34歳では0.9%対10.0%と、『イッテQ』の圧勝となるのだ。その上の世代をみると、女性50歳以上では23.1%対9.0%、男性では21.0%対10.1%と、再び『ポツン』が逆転する。

テレビ朝日の「好調」は、高齢の視聴者に支えられてのもの、ということがはっきりするだろう。下の表を見るとわかる通り、この傾向は朝の番組『モーニングショー』と『スッキリ』でも同じだ。

世代に偏りがあるとはいえ、長らく「視聴率万年4位」と揶揄されてきたテレビ朝日が、『科捜研の女』『相棒』『アメトーーク!』などの人気番組を続々と立ち上げ、著しく数字を伸ばしてきたのは事実。

若者に比べて、50代以上の層は番組に安心感を求める傾向が強い。時にマンネリと言われても、安定的に高視聴率を稼げる番組を作ってきたのは、テレ朝の最大の強みだ。

 

しかし、スポンサーの見方は厳しい。テレ朝の営業局の社員が明かす。

「商品を買い替えることも少なく、嗜好も保守的な年配視聴者より、消費意欲が旺盛で、かつ『長く自社製品のファンになってくれる若者向けに広告を出したい』とスポンサーが思うのは当然。

特に、20歳~34歳、35歳~49歳の女性に向けて広告を流したいと思っているクライアントが多い。個人視聴率が新しい指標として広まる中で、うちへの広告出稿について見直す企業が現れています」

実際、「家庭用品」や「事務機器・事務用品」、「化粧品」といった若い年齢層向けの消費財メーカーが、テレビ朝日への広告の出稿を見送る傾向があるようで、「'19年1~3月期の家庭用品のスポット収入は、前年同期比の60.0%、化粧品・トイレタリーは80.3%と激減しています」(同前)