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韓国・文在寅政権、頼みの景気対策で「逆に自爆」のリスクあり

金融政策、財政政策の危うさ
真壁 昭夫 プロフィール

7月25日、韓国の中央銀行である韓国銀行が4~6月期の実質GDP成長率を発表した。それによると、成長率は前期対比1.1%増とプラスになったものの、大規模な政府支出によって支えられた面が強く依然として厳しい状況が続いているとみられる。

今後の注目点は、頼みの輸出がどれだけ勢いを取り戻せるかだ。足元で米中の貿易交渉の先行きが見通せないことに加えて、中国経済の本格的な回復が見えない中、韓国の輸出の回復が直ぐに鮮明化することは考え難い。今後、韓国政府は財政・金融政策を総動員して、景気対策を実施することが重要になるだろう。

 

悪化が鮮明化する韓国経済

足許、韓国の経済は減速している。韓国銀行(中央銀行)の金融政策には、その危機感が如実に表れている。18日の金融通貨委員会では、市場予想に反して0.25ポイントの利下げが行われた。その後、中銀総裁からは追加利下げが必要になる可能性が高いとの見解も示されている。

米国や欧州では先行きの不確実性に配慮した“予防的利下げ”の重要性が議論されている。一方、韓国は先手を打って金融緩和を進めざるを得ない差し迫った状況に直面している。世界的なスマートフォンの販売台数減少、米中摩擦を受けたサプライチェーンの混乱、わが国の対韓輸出管理制度の厳格化など韓国経済のリスクは増大している。

その中、半導体大手SKハイニックスはわが国の規制強化を理由に減産を行う。ただ、同社が「影響が出ないようにする」と述べた点は冷静に考えなければならない。需要が旺盛であれば、この対応はできないはずだ。SKハイニックスの減産発表は、すでに世界経済の変調から半導体需要が落ち込んでいることの裏返しといえる。

半導体の輸出増加に支えられて持ち直してきた韓国の経済は、重大な変化の局面を迎えている。世界的な半導体の需給のゆるみから、韓国経済が輸出による成長を続けることは困難になっているものと考えられる。今後、韓国政府は金融政策に加えて積極的に財政政策を運営することによって景気の落ち込みを避けようとするだろう。

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