選挙中、大きくバズった「ジェンダー失言集」

ただ、議員による、女性の一番の仕事や能力は子供を産むこと、国のためにとにかく出産を、という発言は今回に限ったことではない。これまで幾度となく繰り返され、その度に問題視されてきた。

今回の選挙で、大きな注目を集めた「政治家 うっかり失言TIMELINE〜ジェンダー編〜」を皆さんはご存知だろうか?チャリツモというメディア媒体の学生ジャーナリストが作成したもので、過去約20年のジェンダーに関する国会議員の問題発言が紹介されている。毎日新聞によれば、アクセスは7月15日の時点で9万を超えており、私のSNSタイムラインでも幾度となく流れてきた。まだご覧になっていない方は、是非チェックしてみてほしい。目を覆いたくなる発言が続くが、これもまた、この国の現実のひとつだ。

中を見てみると、本当に辛い。

子供も一人も作らない女性が自由を謳歌して楽しんで、年取って、税金で面倒みなさいちゅうのは本当におかしい」(2003.6.26 森喜朗) 

女性は15歳から50歳までが出産してくださる年齢。産む機械、装置の数が決まっちゃったと。その役目の人が一人がしらで頑張ってもらしかない」(2007.1.27柳澤伯夫)

まずは自分が産まないとダメだぞ」(2014.4.17 大西英男)

高齢者が悪いというイメージを作っている人が多いが、(女性が)子供を産まないのが問題だ」(2014.12.7 麻生太郎)

この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んでください」(2015.9.29 菅義偉)

子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」(2017.11.21 山東昭子)

お子さんやお孫さんにぜひ、子供を最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」(2019.5.29 桜田義孝)

2018年6月26日には二階俊博幹事長が「「子どもを産まない方が幸せに送れるじゃないかと勝手なことを自分で考えて(いる人がいる)」「皆が幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も栄えていく」と発言した Photo by Getty Images

これらの発言はどれも、国家繁栄のために子を産むよう求めており、在りし日の「産めよ増やせよ」という発想そのもの、個々の意思への尊重は微塵も感じられない(先ほども書いたように、国際的に「家族計画」が国のための出生数調整から個人の権利尊重へと方向転換したのは1994年、25年近く前の話だ)。

一方で、2017年、鈴木貴子氏が議員在職中、妊娠した際に「職務放棄だ」、「辞職すべきだ」とバッシングされたこと、熊本市議会にて緒方夕佳氏が子連れで議会に参加した際「ルールを守れ」「パフォーマンスだ」とバッシングされたことも、私は忘れられない。

世界では、ニュージーランドのように女性が首相となり堂々と育児休暇を取ったような例が既にある中で、日本では女性が政治の場に立つとき、子供がいなければ女性として不足かのように扱われ、妊娠すれば職務放棄と問題視される。私たちのリプロダクティブヘルスライツは、一体どこに行ったのだろうか?