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親に免許返納させたいなら「夏のお盆がベスト」な理由…専門家が指摘

わが親を加害者や被害者にしないために

続発する「高齢ドライバー事故」

池袋で88歳の男性が運転する乗用車が暴走、母子2人が死亡し、10人が負傷した事故からまもなく4ヵ月。遺族の祈り虚しく、その後も高齢ドライバーによる事故が連日のように報じられている。

75歳以上の運転者による死亡事故について、全体に対する構成比は上昇している(内閣府「交通安全白書」)〔photo〕iStock

早期の免許返納を求める声が上がる一方で、親世代からの理解が得られず、家族関係が悪化したり、説得に失敗するケースも多い。

「認知機能が低下したり、身体機能の衰えによっては、重大事故を起こすのは時間の問題です。そういった場合、自主返納してもらうことが悲惨な事故を防ぐ最も有効な手段といえるでしょう。とはいえ、運転免許が『誇り』だった世代に自主返納を促すのは簡単ではありません。

しかし、行政による対応が遅々として進まない以上、自分の親を加害者や被害者にしないためにも、子供や孫による説得が重要です。そしてこのお盆の時期こそが、返納の話題を切り出すのに最も適した時期だと言えます」

そう語るのは『大切な親に、これなら「決心」させられる! 免許返納セラピー』の監修者である、九州大学大学院教授の志堂寺和則(しどうじ かずのり)氏だ。日本交通心理学会事務局長でもある志堂寺氏によれば、自主返納の説得にあたり、むやみに「返納して」と切り出すのは非常に危険とのこと。円満な説得に欠かせない様々なコツを、同氏に解説してもらった――。

 

「思わぬ反対」にあわないために

まず初めに大切なことは、「家族の意見をまとめておく」ということです。

例えば、同じ家族でも、同居している家族と別居している家族、また立場によって、親の運転に対する気持ちや考え方は変わります。

ここを見過ごして直接本人に説得したところ、家族からの思わぬ反対にあったというのはよく聞く話。典型的なのは、免許を持っていない母親の反対にあうケースです。

「お父さんが免許を返したら、買い物や病院は誰が連れて行ってくれるの? 返納なんてすすめないでちょうだい」。そう言われてあきらめた、という報告もあります。