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リブラをめぐる誤解…マクロ経済と金融への「本当の影響」はこれだ!

正しい理解が必要だ

「リブラ」を既存権力が恐れる本当のワケ

米交流サイト最大手フェイスブックが発行を予定する仮想通貨(以下、国際会議での呼称に合わせ暗号資産)「Libra(リブラ)」を巡る議論が熱を帯びている。

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7月16~17日には米議会がリブラに関する公聴会を開催し、17~18日にはフランスにおけるG7やG20財務相・中央銀行総裁会議で主要議題として取り上げられた。

G20ではリブラに対し「最高水準の規制が必要」との議長総括で締めくくられている。これまでもトランプ米大統領やパウエルFRB議長、ムニューシン米財務長官が相次いでリブラに対し否定的な発言を口にしており、フェイスブックにそのような意図があるかどうかはさておき、「リブラ vs. 既存権力」という二項対立の構図が強まっている。

 

リブラの表向きの意図はあくまで社会貢献だと言われることが多い。このプロジェクトを支持する論陣も概ねこれに乗っているという印象である。

リブラによってシンプルかつ低コストで国境のない金融インフラが確立され、「アンバンクト(Unbanked)」ないし「アンダーバンクト(Underbanked)」と呼ばれる金融サービスを享受できない層も受益することができるという、いわゆる金融包摂(Financial Inclusion)のコンセプトがこのプロジェクトの要諦と言われている。

金融包摂とは「全ての人が金融サービスにアクセスできて経済活動に活かせる状況」を実現しようという社会貢献の目線からフィンテック界隈で注目されている新語である。

後述するように、マネーロンダリングや個人情報保護、既存の金融システムへの打撃など論点は出揃っているものの、いち民間企業によるこの壮大かつ清廉な主張をどこまで信じるのかというのが上述した二項対立の根本的な出発点と見受けられる。