本日のメインは豚肉とウイキョウ、沖縄スパイスの蒸し焼き。じっくりゆっくり蒸し焼きした豚肉は力強く、ジューシーだ。使い込んだ藤本健さんの器は、手からおいしさが伝わるよう。

関根さんの料理には不思議な魅力がある。湧き水とビネガーで寒天を作ったり、ウイキョウやパクチーなど「余った根っこを招集して」じっくり3時間半豚肉を焼いたり、宜野座の生黒糖にチーズとバターと柑橘を合わせてデザートにしたり、その発想がちょっと尋常じゃないくらい楽しい。沖縄でないと、思いもつかないような内容だ。何より料理がなまめかしい。ロウソクの明かりで食事をしているせいなのか。ゆらめく表情がセクシーなんである。映画『バベットの晩餐会』を思い出す。

野村さん、大事に大事にいただく。

食って深淵だ。作り手の心象風景をいただいている感覚。そして、いろんなことを思い出したり、遠くへ思いを馳せたり、食べ手も、心の中をあぶり出されるみたいだ。一品ずつ、真剣に向き合う野村さん。料理人同士、通じ合うものがあるのだろう。食事を終えても話は尽きない。