大学生のインターン参加が急増した結果、ゼミ合宿ができなくなった話

長い就活で失われるもの
藤田 結子 プロフィール

長い就活で失われるもの

長い就活で失う機会は他にもある。留学を希望する学生から、「帰国時に就活に間に合わない」という相談をよく受ける。

2年生になって留学を考えたとしても、準備期間を入れると留学開始は3年生となり、就活と時期が重なる。交換留学をするなら1年生から準備を始めなければいけない。それで留学をあきらめる学生も少なくない。

就活が早期化・長期化し、留学しにくいし、学業にも集中できない。海外生活を体験したり、研究や学問の楽しさを知るには時間が必要だ。

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上位層の大学を比べると、日本は米英より(文系では)単位が取りやすい。また、「実務に役立つ教育を一切していない大学に行くのは時間のムダ」という著名人の発言もあった。そんな日本の状況を考えると、授業よりインターンシップに行く方がためになるという意見にも一理あるのだろう。

だが、早期囲い込みを目的とするインターンシップに本当に意義はあるのか。学生自身がやりたい勉強や留学や熱中している事に時間を使えるほうがずっといい。

日本の企業にとっても、欧米の学生が勉強し知識やスキルを獲得している間、日本の学生に就活ばかりさせて、長期的には国際競争力を下げることにならないのか。就活を短期化するべきだ。

Twitterで反応がそれなりにあったのは、この問題に一言いいたい人が多いのだろう。もちろん、私のゼミの話はあくまで1つのケースだ。立場が違えば、経験や主張も変わってくる。あなたはどう考えるだろうか。

 
【引用文献】
(1)本田由紀「日本の大卒就職の特殊性を問い直す」『大卒就職の社会学―データからみる変化』東京大学出版会、2010年
(2)「採用直結のインターン、政府も禁止要請へ 21年春入社」朝日新聞DIGITAL,2019年2月26日
(3)藤田結子「グローバリゼーションをいかに記述するのか」『マス・コミュニケーション研究』93, 5-16, 2018年
(4)福島直樹「『14カ月間』長期化する就活でヘトヘトの人事と学生」文春オンライン,2019年6月27日
(5)佃光博「もはやインターンシップは『就活の主戦場』だ」東洋経済ONLINE,2019年1月17日