料理家で〈eatrip〉主宰の野村友里さんが、沖縄を旅しました。人に会い、作品に会い、おいしいものと〝おいしい人〞に出会う旅。沖縄は島だけれど、生きています。島全体がグルーヴしているみたい。旅することで、元気がもらえる。さあ、島のみんなが待ってるよ。

森に抱かれるようにある
藤本健さんの工房へ

ゆるゆる、ゆるゆる。さぁ、いよいよ沖縄時間が始まるぞ。羽田空港に現れた料理家で〈eatrip〉主宰の野村友里さんの口角は、いつもより15度は上がっている感じ。嬉しいんです、弾んでます、沖縄ツアー。

那覇〈MAHOU COFFEE〉のコーヒーは魔法の味か?/MAHOU COFFEE 沖縄県那覇市壺屋1-6-5 ☎098-863-6866

まずは那覇空港から車を走らせること、40分余り。南城市にやって来た。目的は、木工作家の藤本健さんに会うこと。坂道をキュインと上がって車を停めて、トコトコッと歩けば、すぐに藤本さんの自宅兼工房が見えてくる。木造平屋の自宅は、庭に向かって大きく開いたリビングと広い縁側がつながった、ゆったりした造り。中と外の差がないから、ものすごい開放感。縁側では、大小のワンコが2匹、お昼寝中。おや、ネコもいる。

再会を果たし、嬉しそうな藤本さんと野村さん。話が盛り上がって、盛り上がって。

「こんにちは」と声をかけると、奥から藤本さんがニコニコ登場。野村さんとは久々の再会だ。2人とも、心からのニコニコ。

野村さんが初めて藤本さんの作品と出合ったのがココ。〈ガーブドミンゴ〉。沖縄の元気のいい作家たちの作品が厳選されている。/ガーブドミンゴ 沖縄県那覇市壺屋1-6-3 ☎098-988-0244

「那覇のギャラリーで藤本さんの器を見て、わっ、いいなと思ったのが始まりです。沖縄独特のアカギの色にひかれました」。その地に根付いている木を使った器作りに心ひかれ、工房にもお邪魔し、いろんな沖縄の木たちと出合った野村さん。白かったり、赤かったり、不思議な模様があったり。そして、どれもこれも見たことがないような顔つき。木がなりたいような形そのままの姿。

木工作家・藤本さんの工房を訪れた野村さん。個展のために制作されたアカギの作品の一つを手のひらで転がしてみる。たなごころにすっとなじむ。割れも歪みも木の個性。一体、どこにお嫁に行くのかな。

「沖縄そのものだと思いました」。そして手にしたのが、ガジュマルのボウルだった。ザ・沖縄な材。自然のままの風合い、色み、触感、すべてが気に入ってのことだ。使うほどに、暮らしになじむ。大切に使えば、器も喜んでくれるのだ。