2019.08.03
# 経営者 # 硝子

売上高1兆5000億円のガラスメーカー社長が語る「トップの役割」

「AGC」島村琢哉社長に聞く
夏目 幸明 プロフィール

予算はいらない!?

素材の進化は、産業の進化とシンクロしています。電子機器の高機能化が進むにつれ、半導体回路の微細化が求められており、その微細化技術を支えるのが当社が開発した「EUVマスクブランクス」と呼ばれる素材です。

この素材によりコンピューターの高速化・小型化が進み、AIやビッグデータの活用にも弾みがつくでしょう。こういった進化を実現するためには、経営幹部が成長分野を見極め、そこに優先的にリソースを配分し、社員に対して目指す方向をクリアに示すことが必要です。

逆に足下で利益が出ていてもそれに安心してはならないと思います。今の利益は過去の経営の結果に過ぎないからです。

 

最近、嬉しかったことは、若手が自分たちで勉強会を開き、私をコメンテーターとして呼んでくれるようになったことです。内容が素晴らしく「予算を付けようか?」と提案したら「言うことを聞かなきゃいけなくなるからいりません」と粋なことを言うんです(笑)。

年齢も立場も関係なく、何がベストか考える環境と自ら動ける環境を与えれば、現場は彼らにしか見えない何かを元に、会社や世の中を変えようとしてくれます。そして現場にこんな頼りがいのある若者がいてくれれば、きっと当社は今後も社会の発展に寄与できると信じています。(取材・文/夏目幸明)

島村 琢哉(しまむら・たくや)
'56年、神奈川県生まれ。'80年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、旭硝子(現在のAGC)へ入社。'03年にアサヒマス・ケミカル(インドネシア)社長に就任、'10年、旭硝子執行役員化学品カンパニープレジデント、'13年、常務執行役員電子カンパニープレジデントを経て'15年に代表取締役社長に就任、以来現職

『週刊現代』2019年7月27日号より

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