グーグル、フェイスブックが大ピンチ?「GAFAM包囲網」が強まるワケ

追い詰められる「ニュー・モノポリー」
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

検索やソーシャルメディアは「タダ」か

ただし、急成長したGAFAMに制度の方が追いついていない。例えば、これまで通りの独禁法を今日のデジタル寡占企業にそのまま適応することは、かなりハードルが高い。

企業が独禁法に違反していると断定するためには、独占企業が不正な行為で競争を排除し、その結果価格が不当に吊り上げられるなど、「消費者の利益(コンシューマー・ウェルフェア)が損なわれている」という前提がまず存在しなければならない。大企業だから悪、というわけではないのだ。

 

ところが、インターネットのサービスは無料、あるいは安価で提供されてきたので、消費者の価格面での不利益を指摘するのは難しい。

「タダ」でラーメンの美味い店が検索できたり、最新のJポップスターのビデオを見られたり、離れた場所にいる友人とチャット出来るといった大きな利便性や価格対効果があったからこそ、ユーザーの側からグーグルやフェイスブックに喜んで飛びついたのだ。

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そこで出てきた独禁法の新解釈が、「個人情報はネット時代の通貨」(欧州委員会の競争政策担当、ベステアー委員の発言)。つまり、個人情報には金銭的な価値がある、という考え方だ。

例えばグーグルは、マップやメール、検索エンジンの履歴から、あなたがいつ、どこにいたか、誰にメールしたか、どういうサイトやYoutubeの動画を見たかという情報を集め、それを元に広告ターゲットとしてのあなたのプロフィールを作って、広告収入をあげている。

つまり、消費者は「タダ」でネット上のサービスを受けているわけではなく、個人情報を企業に手渡すという「対価」を払っていると考えることができる。この考えに基づけば、企業が支配的な立場にモノ言わせてユーザー情報を乱用したり、個人情報を自らに集中させて競争排除をすれば、それは独禁法に触れるというわけだ。

グーグルは欧州委からすでに3度も支配的地位の乱用による独禁法違反で、多額の制裁金支払いを命じられている。

日本でも、公正取引委員会がデジタル企業による個人情報収集をめぐる新しいガイドライン作りに乗り出した。個人情報収集を消費者との「取引」と見なし、同意のない第三者への情報提供や漏洩に対しては、独禁法上の「優越的地位の乱用」の適用を検討すると報じられている。

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