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あなたの赤ちゃんに「ジュース」を飲ませてはいけない4つの理由

肥満、虫歯、将来の味覚にも悪影響?
冷たい飲み物が美味しい季節になってきました。そこでフルーツジュースや果汁と聞くと、なんとなく健康に良さそうなイメージがありますが、飲み過ぎは健康に悪影響を与える可能性があります。

なかでも、小児へフルーツジュースや果汁を与えることについては注意が必要です。年齢や量によっては、小児の健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。

今回は、このポイントをまとめて、さらに科学的な根拠についても簡単に紹介します。

ジュースはどれくらい飲ませていいの?

詳細を説明する前に、まずはフルーツジュースの上限量を知っておきましょう。

たとえば、アメリカ小児科学会は以下のように1日当たりのフルーツジュース・果汁の上限量を述べています(Pediatrics. 2017;139(6):e20170967)

1歳未満:与えるべきでない

1〜3歳:1日あたり120mlが上限

4〜6歳:1日あたり180mlが上限

7〜18歳:1日あたり240mlが上限

この方針は、行き当たりばったりで決められた上限量ではなく、過去の研究を参考に作られたものです。

たとえば、「1歳未満の乳児への果汁は、栄養面のメリットがほとんどない」、「1歳以上の小児が果汁を過剰に飲むと、将来の肥満の原因になりうる」、「果汁の過剰摂取は虫歯のリスクを上昇させる」といった報告を参考に上限量が設定されています。

それぞれの理由を、過去の研究結果を参考にしながら説明していきます。

1歳未満が飲むと「栄養が足りなくなる」

まずは主に1歳未満の乳児を対象に行われた研究とポイントをお伝えします。

乳児の体重増加不良の原因として、果汁・フルーツジュースの過剰摂取が示唆された症例集積研究があります(Pediatrics. 1994;93:438-43)

こちらの研究では、体重増加不良で受診した乳児の食生活を詳細に調べたところ、フルーツジュースを1日あたり500ml以上飲んでいたことがわかりました。フルーツジュースの過剰摂取で、必要なエネルギーを摂取できず、適切なレベルでの体重増加が達成できていなかったのです。

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保護者にフルーツジュースを制限させ、母乳・人工乳の十分な摂取と離乳食について指導したところ、体重は適切な値に戻りました。

乳児期は成長・発達のために必要なエネルギー摂取量が多く、ミルクや母乳に含まれる脂肪から効率的に補う必要があります。

フルーツジュースを過剰に飲んでしまった結果、母乳や人工乳からの栄養摂取量が減り、成長・発達に必要なエネルギー量が不足してしまったため、体重増加不良となっていたようです。

 

イギリスの乳幼児を対象に、人工乳・母乳以外からの糖分摂取量と微量元素やエネルギー摂取量との関係を調査した研究があります(Br J Nutr. 1997;78:367-78.)

この研究では、人工乳や母乳以外からの糖分摂取量(NMES = non-milk extrinsic sugars)はフルーツジュースの摂取量を反映することを利用しています。つまり、人工乳や母乳以外からの糖分(NMES)が多い乳幼児ほど、フルーツジュースの摂取量が多いことを利用しています。

結果として、人工乳や母乳以外からの糖分(NMES)が多い乳幼児ほど、鉄分や亜鉛の摂取量が不足しがちであることがわかりました。つまり、フルーツジュースの摂取量が多いと鉄分や亜鉛の摂取量が不足しがちになることが示唆されます。

「鉄分や亜鉛が不足して何か問題があるの?」と思った方もいるかもしれません。