中毒性が高すぎる『あなたの番です』が2クールになった裏話

先の展開を見据えている
高堀 冬彦 プロフィール

1クールはわりと最近

そもそもなぜ国内ドラマは1クール作品が主流になったのか? 1970年代は2クール作品が大半だったのだ。ところが、1980年代、1990年代と時が流れるうち、1クール作品が激増。その理由としてドラマ制作者はこう説明してくれた。

「視聴スタイルが変化したため、長期間同じドラマを見てもらうのは難しい」

「20回以上の作品の主演に耐えられる俳優、女優はそういない」

「20話のストーリーをつくるのは難易度が高い」

加えて、「視聴率が悪かった場合に打ち切ると、損害が大きい」という要因がある。これが最大の理由だろう。

実際、1クール作品でも打ち切ると大騒ぎになる。打ち切り時点で残り2、3話であろうが、局側は差し替え番組の手配に追われる。営業部門はスポンサーにある程度の見込み視聴率を提示してあるので、その釈明にも追われる。これが2クール作品だと、もっと深刻だ。

 

絶好調の日テレだから

にもかかわらず、『あなたの番です』は実現した。5年連続年間3冠王を得ていて、新しいことにチャレンジしやすい日テレだからこそ出来たのかもしれない。

『あなたの番です』の登場人物は次々と死んだが、菜奈の死後に新たに加わった者もいる。まず新住民で大学院生の二階堂忍(横浜流星)。人工知能を駆使し、翔太の犯人捜しに力を貸す、頼もしい存在だ。やはり新たな住民となったのが南雅和(田中哲司)。見た目も言葉使いもチンピラ風だが、事件の真相を追っている正義の人のようにも映る。加えて7月28日放送の14話からは新たな夫婦もマンションに引っ越してくる。若村典之、真由子(江口洋介、若村真由美)である。

新規参入の出演陣もうまい人ばかりなので、失速の心配はない。伏線をあれこれ考えて悩ましい日々が続きそうだ。

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