中毒性が高すぎる『あなたの番です』が2クールになった裏話

先の展開を見据えている
高堀 冬彦 プロフィール

ドラマ輸出の可能性

そもそも日テレ自身、海外ミステリーを意識して制作し、番組の輸出を視野に入れているのではないか。日テレは過去、『Mother』(2010年)と『Woman』(2013年)のリメイク権をトルコに販売した。トルコ版の両作品は同国や近隣国などで好評を博した。

今回、2クール作品にしたのも日テレが最初から海外への販売を意識したためであるように思える。1クールでは短く、輸出が難しいからだ。海外のドラマの放送回数は基本的に20話以上。つまり2クール以上なのである。

ドラマ『Mother』のトルコ版。タイトルは『ANNE』

たとえば、2005年からアメリカのCBSで放送が始まった犯罪ドラマの人気作『クリミナル・マインド FBI行動分析課』は14シーズンつくられたが、1シーズンは全20~26話だ。欧米で1クール作品はまず制作されない。韓流ドラマもそう。1クール作品はグローバルスタンダードではないのだ。

 

海外展開に熱心なのは日テレばかりではない。少子高齢化と人口減少の時代に生き残ろうとすると、活路はどうしても海外になる。フジテレビの場合、ドイツの公共放送・ZDFの子会社であるZDFエンタープライズ社と連ドラを共同制作することが決まっている。

テレビ朝日で放送中の『科捜研の女 SEASON19』は最近では稀な4クール作品である。科学を駆使した犯罪ドラマはアメリカでは好まれているので、輸出はそう難しくないはずだ。出演陣を少しずつ変えながらシリーズを重ねているところもアメリカの連ドラに近い。主人公・マリコ(沢口靖子)は海外でも人気者になるかもしれない。

関連記事