れいわ新選組の底力を、ポピュリズム批判だけでは見誤る「真の理由」

これは現代の「一揆」かもしれない
真鍋 厚 プロフィール

「シングル・イシュー」が効果的な理由

その点、「れいわ新選組」の選挙戦は「エンタメ性」が徹底されていた。

例えば、難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を国会に送り込むというのは前代未聞の試みであるだけでなく、彼らが主張する価値観(中卒、高卒、非正規や無職、障害や難病を抱えていても、将来に不安を抱えることなく暮らせる社会を作る)をリアルタイムで世に問う「社会実験」でもあったわけだ。

「れいわ」に票を投ずるか否かを逡巡することは、「難病患者を国会議員にすることに賛成か反対か」というイシューに関して、自らの態度を決めることと同義になった。そのため、有権者に明確な参加意識が生じやすかった。

つまり「れいわ」は、今回の選挙自体を「既存の社会に対する挑戦状」にするというストーリーを構築し、有権者たちも事実としてそれに乗ったのである。

 

「エンタメ化」は、「シングル・イシュー・ポリティックス」と親和性が高い。

「シングル・イシュー・ポリティックス」とは、一つの争点のみについて賛否を問う政治運動のことだ。実際に「NHKから国民を守る党」は、「NHK」(の現在のような受信料制度にノーを突き付けること)の賛否だけを問うた。

「れいわ新選組」の場合は、今回の参院選から新たに導入された「特定枠」にALS患者の舩後靖彦氏と重度障害を持つ木村英子氏を指定することで、「障害者」(も生きてて良かったと思える社会を実現すること)に対する賛否を、実質的に「一つの争点」として機能させることに成功したと推測できる。

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このように構造を分析したうえで、「れいわ」の台頭と「左派ポピュリズム」が危険か否か、という問いに戻ろう。

「左派ポピュリズム」という言葉が一人歩きし、「れいわ」や山本氏の存在を危険視する声は強まりつつあるが、実のところ日常的に「身の危険」を感じているのは、彼らの批判者よりも、支持者や支援者たちのほうではないか。

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