中国経済が顕著に減速
中国の名目GDPの成長率は、図表4に見るように、2017年から継続的に低下している。
図表4 中国の名目GDP対前年同期比(%、資料:中華人民共和国国家統計局)

実質GDPの成長率は、図表5に見るように、2018年からかなり急激に低下した。
2019年第2・四半期の実質GDPは、前年比6.2%増となり、第1・四半期の6.4%増から鈍化した。これは、1992年第1・四半期以来の、27年ぶりの低い伸び率だ。
図表5 中国の実質GDP対前年同期比(%、資料:中華人民共和国国家統計局)
2017年から18年にかけての実質成長率は、図表5に見られるように6.8%程度だった。これに比べると、0.6%ポイントほど低下したことになる。
製造業の成長率は、4~6月に5.5%となった。これは、1~3月に比べて1ポイントの縮小であり、15年の公表開始以降、最低の値だ。
製造業だけで、GDPの成長率を0.3ポイント下押しした。
設備投資の増加率も落ち込んでいる。1~6月の製造業の設備投資は、3%増にとどまった。
製造業の不振は、雇用にも悪影響を与えている。1~6月の都市部の新規雇用は737万人で、前年同期比で2%の減となった。民間企業の倒産も高水準で推移している。
このように、中国経済の減速ぶりは著しい。