なぜアメリカ人は「銃所持」に固執する?背後にあるトラウマの正体

それは「独立」にまで遡る
堀井 憲一郎 プロフィール

トランプと「アメリカ精神」の相性の良さ

銃で奪ったから銃で守る。アメリカ国民はみんな銃を持っていないといけない。そういう理屈である。

その結果、かなり危なっかしい人間も銃を保持するのだが、そういう人を排除してはならないという理屈にこそ、アメリカ国の存在意義があるようだ。他国から何か言えるところではない。

国民のうちの理知的な一団が銃を手放そうと呼びかけても、アメリカ古来の精神を受け継いでいる者たちが、そんな声を聞くはずがない。理屈で人は動かない。トランプはそういうところをよく理解している。

 

トランプ大統領は、銃を保持するという保守思想に固執してはいないだろうが、そういう原始アメリカ的な思考には敏感に反応する。「ものを考える以前のアメリカの体質」に同調するのがうまい。トランプは、そういう“アメリカそのもの”という存在に自分を重ね合わせ、それはときに熱狂的に支持される。

アメリカがいつか国民の銃の保持を禁止する、ということは起こらないはずである。そうなったらそれはもうアメリカ合衆国ではない。別の国である。銃による事件が起こっても、それは国家維持のコストだと考えるしかないのである。