2019.08.05
# 育児

心理学で解明! 子どもに「我慢しなさい」と言うのは逆効果だった

「我慢する筋肉」の鍛え方
はせがわ わか プロフィール

注意するより微笑みかける

実はバウマイスター教授の実験には続きがあります。ラディッシュしか食べられずストレスをため込んだ、さっきとは別の学生に、今度は問題を解く前にロビン・ウィリアムズのコメディビデオを見てもらいました。

Photo by iStock

すると、問題に取り組む時間が平均で1.5倍になったんです。楽しいなどポジティブな気分になると、我慢する力が回復するということです。

自分のイライラに気づいたとしやくんのお母さんは、カバンに忍ばせておいたキャンディをそっと口に入れたところ、スッと気持ちが静まっていくのを感じました。イライラを収めるには、他にも目を閉じて深呼吸するだけでも効果があります。

そうしたら今度は、子どもをポジティブな気持ちにする番です。落ち着きなくソワソワしているとしやくんにお母さんがニコッと笑ってみたところ、としやくんもちゃんと先生の話を聞く様子を見せ始めました。もちろん、完璧ではありませんが、睨んだ時よりはずっと落ち着いているようです。

子どもは親の笑顔で一気にポジティブな気持ちになります。無理やり子どもを我慢させるのではなく、まずは子どもが我慢できる状況にしてあげましょうね。

 

こんな時、我慢できますか?

我慢について、もう1つ大事な話をします。

そろそろ買い替えかなとケータイショップに入ってみると、そこには薄くてカッコいい機種が並んでいたとしましょう。急に自分のケータイが古臭く思えてきました。でも、2ヶ月後には新機種が発売されて、これらは1万円ほど安く買うことができそうです。さて、2ヶ月、我慢できますか?

今年の夏は友だち家族と海に行く予定があるとします。夏までに3キロ痩せるために、もう1ヶ月も甘いものを我慢しています。そんな中、なんと家の近くに新しいケーキ屋さんがオープンし、今日だけどれでも半額だそうです。こんな時、買わずに我慢できますか?

人は「今」に価値を感じます。2ヶ月後にかわいい水着でビーチを満喫することより、今、ケーキを食べることのほうが大事に思えます。これを「遅延の価値割引」といいます。ましてや、先のことを考えるのが苦手で、今を全力で生きている幼児ならなおさらです。

でも、幸せな家庭、大きな夢の実現、ずっと健康な体、など「未来の大きなご褒美」のために「今の小さな我慢」が必要な時もありますよね。

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