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# 育児

心理学で解明! 子どもに「我慢しなさい」と言うのは逆効果だった

「我慢する筋肉」の鍛え方
子どもが自立する、イライラしない、育児がラクになる……。こんな嬉しいことが、世界トップ機関の研究にもとづいた「テキトー子育て」で実現すると提唱するのは、幼児教育のプロで、著書『1人でできる子になるテキトー子育て』もある、はせがわわか氏だ。つい子どもに言ってしまう「我慢しなさい!」という言葉。はせがわ氏によれば、まったく意味がないという。では、どうすれば子どもに我慢をさせることができるのか? 科学的に正しい方法を教えてもらった。

科学的実験でわかったこと

子どもが我慢をしないといけない時って、いろいろありますね。じっと座っていること、食事前のおやつ、お友だちのおうちから公園に寄らずに帰るなど。素直に我慢してくれるなら、こんなにラクな話はありません。

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でも、身もふたもない話ですが、我慢できない子どもに「我慢しなさい!」と言っても無理なんです。

としやくんの幼稚園の入園式。他の子どもたちがちゃんと座っているのに、としやくんだけはなんだかフラフラ、ソワソワ。お母さんはとしやくんが保護者席を振り返ったタイミングでキッと睨みを利かせてみましたが、シャキッとしたのはせいぜい10秒……。

お母さんはだんだんイライラしてきましたが、イライラすればするほど、としやくんはさらに落ち着きがなくなっていきました。

フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスター教授たちは、お腹が減っている学生たちに焼き立てのクッキーの香り漂う部屋に入ってもらう実験を行いました。

一部の学生にはチョコチップクッキーを与える一方で、別の学生たちにはなんと、目の前にあるクッキーには手を出さずに、隣のお皿にあるラディッシュ(はつか大根)だけを食べるように言いました。

 

その後、絶対に解けない問題に取り組んでもらい、諦めるまでの時間を測った結果、チョコチップクッキーを食べた学生は平均で19分も取り組んだのに対し、ラディッシュしか食べていない学生は半分以下のたった8分で諦めてしまいました。

チョコチップクッキーを我慢するというストレスで、頑張る力を消耗してしまったわけです。

バウマイスター教授はこれを「自我消耗」と呼びました。仕事で疲れるとつい食べ過ぎてしまうのも、嫌なことがあると怒りっぽくなってしまうのも、たくさん頑張ったあとは何もしたくなくなるのも、全部、自我消耗のせいです。

幼稚園の入園式に参加していたとしやくんは、親にキッと睨まれることで、大きなストレスを感じました。そしてこのストレスによって、むしろ我慢してジッとしていることができなくなったわけです。今、我慢できない子どもに「我慢しなさい!」と叱れば叱るほど、我慢することができなくなってしまうんです。

さらに実は、子どもにちゃんと座っていてほしいのに、他の保護者の手前「ちゃんと座っていようね」と伝えに行くことができないことにお母さんもストレスを感じていました。その結果、冷静でいられなくなってしまったわけです。親も、ストレスを感じるとイライラしやすくなるんです。