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日本人のコミュニケーションを「世界標準」に変える3つのコツ

大事なのは「アサーション」だ
終身雇用、年功序列といった平成の働き方が終わりを告げようとしている今、社会人に求められているもの。それは「起業家マインド」だ。著書『起業家のように企業で働く 令和版』で知られる経営学者・コンサルタントで、過去にはNEC、マッキンゼー、ユニデン、アップルなどの複数社で勤めてきた小杉俊哉氏は、日本人のコミュニケーションに足りないものは「アサーション」だと説く。この耳慣れない言葉について、やさしく教えてもらった。

空気を読みすぎる日本人

アサーションという言葉は、発言する、主張する、ということだ。さて、君は果たしてアサーションしているだろうか?

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日本のビジネスシーンでは、このアサーションが非常に欠けている。またグローバルのビジネス環境はアサーションなしには成り立たない。それほど重要なのに、多くの日本人が実に不得意だ。

いまだに、上司の中には「オレにそこまで言わせんのか! 察しろ!」とか言う人がいる。日本人同士だと、以心伝心、背中で語る、腹芸、言わずもがな、空気を読む(できない人がKY)、最近では忖度するというのが、当たり前だと思っている人がまだ多い。

ところが、日本人同士だって、いくら単一民族から構成され、同じ日本語を喋っていたとしても、世代が異なればまったく異なる価値観や見方を持っているのが当たり前だし、それ以前に個人によってそれぞれの見方、考え方、感じ方がある。

もちろん、相手の気持ちに思いを巡らすことは重要だけど、それができることが大前提ではない。だから、基本は「相手に言わなければ、わかってもらえない」ということだ。

 

これが、相手が外国人だったら、誰もそんな前提を持たないだろう。一般的に外国人はとにかくアサーションしてくる。なぜなら、アサーションすることがグローバルスタンダードだからだ。

一方で、相手を無視して、自分の言いたいことを感情的に、攻撃的に言い放つ、というのは、特にビジネスにおいてはふさわしくないし、効果的でもない。日本でも、自分の都合ばかり言っている人の「自己主張が強い」というのは決して褒められたことではない。

それは、心理学的には「I am OK, you are NOT OK」というスタンスだからなんだ。

一方、自分の欲求、考えを抑制して、遠回しな表現、煮え切らない態度を取るということは、ノン・アサーティブであり、日本人にはどうも多い。これは、心理学的には「I am NOT OK, you are OK」というスタンスだ。

もちろん、そういう時や場面もあるだろう。でもそれが長く続くとどうなるか? そう、我慢している方がストレスを溜め込む。そして、それがある一定のクリティカル・ポイントを超えると、いわゆる「キレる」という状態になる。

今度は、一気に「I am OK, you are NOT OK」に転じる。時に暴力を伴うこともある。親子間でも、金属バットやナイフを親に向ける、という事件が起こるのはそういうケースが多い。