日本人が知らない「ウナギの闇」どうしてこんなに高くなったのか?

「土用の丑」が国際問題になるまで
松岡 久蔵 プロフィール

しかし、最近では日本国内でのシラスウナギ採捕量が激減し、中国などから稚魚を輸入していることは前述した通り。「国産(日本産)」なのか「中国産」なのか、消費者には分かりにくい。

「実は、日本の食品表示法では、スーパーなどの小売店には原産地表示が義務づけられていますが、飲食店にはその義務がありません。大手牛丼チェーンが肉の産地を示しているのもあくまでその会社の方針にすぎませんから、ウナギも同様に、専門店が産地を表示する義務はないのです。

そのため、悪質な店では『国産ウナギあります』と店頭に書いておいて、実際には中国から成魚の状態で輸入したものを提供することも多いようです。店の裏にでも『国産ウナギ』が置いてあれば、ウソじゃないですから(笑)。

ウナギ業者の中には『本当に国産を食べたいなら、店で食べるよりスーパーで買ったほうがいいよ』という声もあるくらいです。ランチで1500円程度で食べられるウナギは、まず日本産ではないでしょう」(前出・専門誌記者)

 

「シラスウナギ漁」で高級車も夢じゃない

前述のように、1kgあたり200万円以上で取引されるシラスウナギが、「白いダイヤ」と呼ばれて密漁のターゲットにされ、暴力団の資金源となっているとの報道を耳にした方も多いだろう。

シラスウナギの漁期は毎年12月~翌4月。東海や九州など24都府県の冬の河川や海岸線で漁が行われる。方法は、遡上してくるシラスウナギをひたすら網ですくったり、河川に仕掛けた小型の定置網で採捕したりするのが主流だ。

漁業権については、都府県知事が特別に地元住民からなる「採捕組合」に許可を出し、その組合員でないと捕れない仕組みになっている。シラスウナギ漁に参加しているという、東海地方在住の40代会社員に話を聞くことができた。

「漁に参加したい場合は、地元の組合に届け出て、簡単な面接の後に参加費を払う必要があります。私の地元では40代以上が中心で、会社員から農家まで、普段はいろんな仕事をしている方が副業として参加してますね。私は仕事が終わってから夜10時くらいまで、遅くなると0時ごろまでやってます。

元手は捕獲網などの装備品にかかる5万円程度なので、それほどハードルが高いわけではないですが、問題は寒さですね。真冬の夜の川に浸かるわけですから、正直シンドイ。獲れ高もウナギの気分次第で、毎年安定してたくさん獲れるとは限りません。

ただ、当たり年だとワンシーズンで高級車が買えるくらいの収入を得ることもできます。まあ、頑張って月々40万円稼げれば上出来といったところでしょうか。地方はどこでも過疎と高齢化が進んでいるので、シラスウナギ漁が若者を呼び込む意外な手段になるかもしれませんね」

編集部からのお知らせ!

関連記事