「最大限まで薬を増やします」

途方に暮れている私を見た作家のW先生から、「医療最前線というシリーズで対談したリウマチの専門医は、『リウマチは薬でコントロールできる』と言っていた。そこまで進歩したらしい。その先生に診てもらうといい」と言われ、東邦大学医療センターにあるリウマチ膠原病センターのK先生を紹介された。

K先生は、「レミケードが合わなくても、ほかの生物学的製剤があります。エンブレルで日常生活が楽になった患者さんが増えています。生物学的製剤は免疫異常や炎症を抑えます。何種類もありますから」と穏やかに丁寧に言った。O先生と同じ見解だ。

エンブレルはアメリカなどで効果をあげている薬である。私も新聞の記事を読んだ。当時、日本で使われ始めたばかりだったため、研究材料にされるのではないかという思いが頭をよぎった。エンブレルが効果的だと2人の医者から言われても、レミケードのつらさが鮮明に記憶に残っている。私はまた副作用に苦しむかもしれないと、ほかの生物学的製剤を使う気持ちになれなかった

生物学的製剤以外の治療法を聞くと、「MTXを最大量、使います。毎週、MTXを飲み終えたところで、葉酸を飲みます」と言われた。私は出ている症状がMTXの副作用ではないかと質問したが、「リウマチには効果的な薬です。関節リウマチに使用できる最大限まで量を増やします」と。これ以上増やすのか、釈然としなかった。

薬を最大限にし、その薬が効かなかったらまた別の薬… Photo by iStock

先生は続けて、「新薬の研究のために協力してほしいのです。これを読んで同意してもらえるなら、次回の診察の日にサインをして持ってきてください」とプリントした紙を渡された。結局、モルモットなのかと思わずにはいられなかった。

もちろん医学の進歩のために協力する気持ちはある。しかし、私は化学薬品に疑問をもっている。身体が薬を必要としていれば、拒絶反応は起こらないのではないか。自然界のもので作られていないのも気がかりだ。胃が痛み、食欲がなく、湿疹が出るのは、薬の量が多いか合わないか、何かの不具合があると身体が教えているのだろう。体調の悪さは身体が薬を拒否している証ではないかこれ以上、薬の副作用で正常細胞を壊すと、生命に関わるのではないかと心配だった。

次の診察日、東邦大学医療センターには行かなかった。