Photo by gettyimages

森保一監督、平和を語る…U22代表戦が広島、長崎で開かれる理由

願いが伝わってくるようだ

「ゆかりの深い地」が選ばれた

小さなニュースに、大きな意義を感じた。

サッカー東京五輪世代となるU-22日本代表の強化試合が11月17日に広島、12月28日に長崎で開催されることになった。

Photo by gettyimages

森保一監督にとって長崎は生まれ故郷。また、広島はサンフレッチェ広島の前身、マツダサッカー部からキャリアをスタートさせ、選手、指導者として長年過ごしてきた第2の故郷である。

勝手な推測だが、森保監督の思いを汲んだうえで「ゆかりの深い地」が選ばれたのではないかと踏んでいる。指揮官は2017年10月、東京五輪代表監督の就任会見でこのように述べていたからだ。

私は長崎出身で、広島で人生を一番長く過ごしてきました。その2つの都市は世界で2ヵ所しかない被爆地です。そういった今までの人生のなかから、平和都市で過ごしてきた部分を発信できれば幸いです

世界平和への発信――。森保監督の願いが、伝わってくる。

オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである

これはオリンピック憲章にあるオリンピズム(オリンピック精神)の根本原則の1つだ。参加すること、勝利を目指して努力すること、平和を謳うことにオリンピック本来の意義がある。

 

長崎と広島、2つの被爆地を故郷とする森保監督の平和に対する思いは人一倍、強い。

少年時代に父、叔父たちから聞いた原爆体験の話は今なお胸に深く刻まれているという。以前、彼はこう語っていた。

父が3歳のころだったそうです。爆風で家の窓ガラスがパーンと割れたことは覚えていると言っていました。叔父は背中に何かもの凄く熱いものを感じて、海に飛び込んだという話をしてくれました

母方の祖父は静岡・掛川の出身だが、広島で仕事に従事していた際に原爆に遭遇した。壊滅した町の復旧作業を手伝って一度掛川に戻り、地元消防団の一員として再び広島の地に向かったそうだ。