ビジネスで大切なことは『遊戯王』から学んだ…選択肢の重みとは何か

世界一売れているのには「理由」がある
宮﨑 雄 プロフィール

自分が所持しているカードを見極めよ

「選択肢と可能性を駆使して、相手と駆け引きを行う」

これがゲーム全般の面白さなのですが、トレーディングカードゲームでは、それに加えて可能性・選択肢を自分で考えて用意できる面白さがあります。遊戯王OCGはそれに伴うゲーム性を大事にするからこそ、簡単に手札を増やす・破壊する行為に対して厳しい措置を行っているのでしょう。

だからこそ、勝敗が奇跡的な幸運や理不尽な不運で決まってしまうのではなく、あくまで対峙しているプレイヤー同士がいかにデッキを構築し、それを運用し、相手の優位に立てるかを競い合える楽しいゲームとして成立しているのです。

こうした絶妙なルールの設定から学べるのは、「選択肢」と「可能性」を区別してビジネスに立ち向かうことだと思います。

Photo by iStock

少なくとも遊戯王OCGにおけるデュエルのような短期的な戦いであれば、我々は可能性よりも選択肢を重要視すべきです。可能性はデッキの中に眠っていると行使できないので、場における価値はゼロと言えます。

可能性の価値が高まるのは、それが将来的に選択肢になりうると判断できる時です。たとえば自分たちのビジネスに興味をもってくれる人(=可能性)を集めるだけでなく、その人たちに顧客になってもらえる流れを用意しないと意味がありません。

こうした前提を持たず、可能性の価値を実際より高く見積もってしまって、目の前にある選択肢を最善のかたちで行使する決断が下せないのなら、それは間違いだと言わざるを得ません。幸運が味方して次のターンでお目当てのカードが手札に入ってくるかもしれませんが、何らかの手をうっていないのであればその確率はけっして高くないでしょう。

もし本当に運良く引けたとしても、同じやり方を続けていたら、次回以降に同じシチュエーションに遭遇したときに敗北します。カードゲームでもビジネスでも、意思決定は選択肢を主材料にして行わなければ、いつまでもギャンブルをしていることにな流のです。

もちろん、人生というより長期スパンでの“ゲーム”であれば、この限りではないかもしれません。自身の可能性を広げるために、いろんな人に会ったり、読書をして知見を広げるのは良いことです。

 

ただし忘れてはいけないのは、いずれにせよ可能性の中から選択肢に入れられる数は限られているという点。遊戯王OCGにおいても、手札を所持できる枚数はルールで決まっています。

大事なのは、自分が取り組んでいるゲームのルールを理解し、所持しているカードが「選択肢」なのか「可能性」なのかを見極めること。そして、その2つの使い方を見誤らずにプレイしていくことだと思います。