ビジネスで大切なことは『遊戯王』から学んだ…選択肢の重みとは何か

世界一売れているのには「理由」がある
宮﨑 雄 プロフィール

私はボードゲームのデザイナーとして、同じくアナログゲームである遊戯王OCGがこうした人気を博す理由を考えずにはいられなくなりました。また、その理由を探していくうちに、遊戯王OCGのゲーム性は、やはりある種のゲーム性を帯びる「ビジネス」にも通じるのではないかと考えたのです。

 

人気が衰えない理由、それは…

マンガから生まれたゲームであるという誕生ストーリー、洗練されたルール、優れたカードデザイン……。遊戯王OCGの人気の理由は様々なものが考えられます。

しかし発売開始から20年も経てば、おそらく何度かプレイヤーの世代交代を経ているはずです。それでも勢いをもち続ける理由を特にひとつ挙げるとするなら、「リミットレギュレーション(旧:禁止・制限カード)」ではないでしょうか。リミットレギュレーションとは、遊戯王OCGにおけるカードの使用制限を指す言葉です。

遊戯王OCGのプレイヤーは、デッキと呼ばれるカードセットを構築し、他プレイヤーとデュエル(対戦)をします。デッキを構築する際は、同名カードの枚数は3枚までに収めなければならないというルールがあります。ですがリミットレギュレーションで設定されたカードは、デッキに入れることができる同名カードの最大枚数が個別に決められています。

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設定には「禁止」「制限」「準制限」の3種類があり、それぞれ、デッキに入れることができない・1枚のみ入れられる・2枚のみ入れられると決められています。注目すべきはその改訂の頻度で、かなり頻繁に行われています。

そもそも、禁止・制限カードという設定が始まったのは、遊戯王OCGの販売開始と同じ1999年。以降、現在まで58回もの改訂(2019年7月1日適用のリミットレギュレーション時点)がなされています。最初期は不定期な更新でしたが、現在は3ヵ月ごと、年4回の更新で落ち着いています。