トランプ大統領に攻撃を受けているイルハン・オマル下院議員(Photo bny gettyimages)

トランプが「イスラム教徒の女性国会議員」を全力で罵倒している理由

日本人にも「対岸の火事」ではない

「嫌なら出て行け!」

米国のトランプ大統領が、露骨な人種差別発言を繰り返し、米国内外に動揺が広がっています。

ターゲットとなっているのが、4人の女性下院議員。プエルトリコ系のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員、パレスチナ系のラシダ・タリーブ下院議員、ソマリア系のイルハン・オマル下院議員、そしてアフリカ系のアヤンナ・プレスリー下院議員です。彼女たちは全員が野党民主党に所属し、トランプ政権に対して極めて批判的な立場です。

 

トランプ大統領は7月中旬、ツイッターで「彼女らは、犯罪が横行し政府が全く機能していない、自分たちがもといた国に帰って、その再建を手伝えばいいのに」「アメリカは社会主義や共産主義の国には絶対にならない! 嫌なら出て行けるのだ!」「我が国を蔑み、反イスラエルで、アルカイダに親和的な人々がいる」などと書き込み、人種差別を煽る発言として猛批判を浴びました。なお、大統領は「もといた国」と言いますが、上記の4人のうち、オマル下院議員を除く3人の議員は米国生まれです。

トランプ大統領の差別発言に抗議するオカシオ=コルテス議員とプレスリー議員(左)、オマル議員(右から二番目)、タリーブ議員(Photo by gettyimages)

来年の大統領選での再選を狙うトランプ大統領が、有色人種の反トランプ議員を、支持層へアピールするための「攻撃材料」として活用(悪用)していることは明白ですが、中でも最も激しく攻撃されているのが、ソマリア出身でイスラム教徒でもあるオマル下院議員です。

ヒジャブをつけたオマル下院議員は現在37歳で、ミネソタ州第5区選出の1期目です。ソマリアの首都モガディシュで生まれたオマル議員は、8歳のときには隣国ケニアの難民キャンプに移って暮らしていました。

その後12歳で米国に移住し、17歳で市民権を取得。ノースダコタ州立大学で政治学の学位を得て、ミネソタ州などで地元選挙の支援業務などの仕事をいくつか経験したあと、昨年秋の中間選挙で初当選を果たしました。

イルハン・オマル議員(Photo by gettyimages)

ちなみに、ファースト・レディでユーゴスラビア(現スロベニア)出身のメラニア・トランプ夫人(49歳)が米国の市民権を得たのは13年前、36歳のとき。オマル議員のほうが、トランプ大統領夫人よりも米国民歴が長いのですが、それはともかく。