氷河期から未来まで …「湖底の泥」で気候変動の謎を解き明かせ!

「年縞」が地球温暖化の原因を解明する

宇宙から到来する高エネルギーの放射線、いわゆる宇宙線が地球の気候に影響を及ぼす可能性は、これまで何度も議論の的になってきた。

北場は「地磁気」という視点を持ち込むことで、それを世界で初めて実証してみせた。地球が持つ磁気・地磁気は、宇宙線の影響から地球を守るシールドのような役割を果たしている。

北場は花粉の化石の分析から、数十万年に一度、地磁気のパワーが弱まる時期に限って地球が寒冷化することを突き止めた。地磁気によって地球に降り注ぐ宇宙線の量が変わり、それが雲の量を変え、気候に影響を及ぼしたというわけだ。

年縞ごとに含まれる各種の花粉量を示したグラフ(部分)。年ごとの花粉量の増減を調べることで、気温の変化を知ることができる
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いま、北場は水月湖の年縞や秋田県にある一ノ目潟から採取された年縞を用い、さらに小さな地磁気の変化を捉えようとしている。

「約千年という短いスパンでも地磁気が弱まる時期があるんです。この短い期間にも地球の寒冷化は起きるのかを突き止めたい」

湖の底に眠っていた数万年前の過去から、そしてはるか遠く宇宙から、未来を見すえるという壮大な研究に挑む。

中川 毅[写真右]
総合科学技術研究機構 教授、古気候学研究センター長
研究テーマ:年縞堆積物を用いた気候復元
専門分野:古気候学、地質年代学

北場 育子
[写真左]
総合科学技術研究機構 准教授
研究テーマ:宇宙と地球を結ぶ気候変動メカニズムの解明
専門分野:古気候学、宇宙気候学

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