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ヤフーと対立、アスクル「異例会見」が明かしたガバナンス問題の深淵

資本の論理とはなにか

異例の会見

東証一部上場のオフィス用品通販大手「アスクル」に対して、発行済み株式の45%を握る筆頭株主のヤフーが社長退任などを求めている問題で7月23日、アスクルの独立役員らが記者会見を開き、ヤフーの対応を厳しく批判した。

 

経営権を巡る争いで、社外取締役や社外監査役などの独立役員が独自に記者会見を行うのは極めて異例。大株主や親会社が存在する上場企業のコーポレートガバナンスのあり方を問う内容となった。

「アスクルは、コーポレートガバナンス(の強化)に一生懸命取り組んできた。それを資本の論理だけで、いとも簡単に変えてしまう。世の中にあって良い話なのか」

アスクルの独立社外取締役を務める戸田一雄・元松下電器産業(現・パナソニック)副社長は、そう言って声を荒げた。

アスクルには3人の社外取締役と同じく3人の社外監査役がおり、「独立役員」として取締役会の諮問に応じて意見を述べてきたという。

7月10日付けでは6人の独立役員全員の連名で、ヤフーからの要求に対する意見書を提出。岩田彰一郎社長に対する退任要求は、「上場企業としての当社におけるガバナンス体制を全く尊重していないものと言わざるを得ず、極めて遺憾」としていた。

独立役員会は1月にヤフーが一般消費者向け通販サイト「ロハコ(LOHACO)」事業について、ヤフーへの譲渡が可能かどうかを打診してきた際にも、岩田社長ら執行部の求めで、中立的な立場で検討に当たったという。

そのうえで、ロハコ事業を切り出すことはヤフー以外のアスクル株主、いわゆる少数株主に損失を与えることになりかねないという結論に達し、取締役会に意見を具申。それを受けて岩田社長がヤフーに譲渡不可の回答をしたと言う。