平均年収2000万円以上!「キーエンス」が高い給料を払えるヒミツ
驚きの利益率を維持するしくみ今回、そんな同社に新卒で入社し7年間勤務、営業マンとしての基礎を学んだ鈴木眞理氏が特別に寄稿してくれた。退社後、世界最大規模の外資IT企業やベンチャー企業での勤務など全く違う環境を経験して初めて気がついたという、キーエンスだけが持つユニークな仕組みや利益率の秘密の一端を解き明かす。
オンリーワン企業「キーエンス」
2011年東日本大震災直後の5月に私はキーエンスを辞めた。4年前の2007年度には当時目標としていた営業利益額が1000億円を突破し、全国から社員が集まってお祝いのパーティーを開く程に業績が好調だったが、1年後の2008年にリーマンショックが発生し、製造業を顧客にしていたキーエンスはその後の円高の影響もあり業績を大きく落とした。
その後、徐々に売上を回復した2011年に今度は東日本大震災での落ち込みがあり、国内製造業をメインターゲットにしていたキーエンスは今までのような業績をキープすることは難しいと思っていた。

ところが私の予想は見事に外れた。たった8年で売上高は1,848億から5,871億円にまで伸び、営業利益も866億円から3,179億円まで伸びた。
この結果には海外進出の成功が寄与している。
当時、海外売上比率30%程度しかなかったキーエンスは海外売上比率50%超えを目標に掲げていた。キーエンスの海外展開は基本的に現地で営業マンを採用し、日本から1、2名の営業マンを現地に所長として派遣して、キーエンスの営業システムをロールアウトしていくというやり方で、海外転勤に求められるのは英語力より営業力だった。
当初この目標に対して私は半信半疑ではあったが、私が辞める直前には営業マンがどんどん海外に転勤になり、気がつくと2019年現在では海外売上比率が50%を超えている。こうした決めたことをやりきる徹底力は、他社が簡単に真似できないキーエンスの強さの根源である。