かつて子供たちと生活するための自宅は、それなりに広さや間取りが必要だったことでしょう。
一方で、子どもたちが成長して独立した今でも同じ家に住み続けている人が大半。
戸建て住宅に夫婦二人で、二階はほとんど使っていない、子供が残した荷物置き場となっている状況をよくお聞きします。
そろそろ庭の手入れが大変になってきたり、80代になると車庫も不要になったりします。
そのままの状態でいずれひとり暮らしになり、やがて、二人とも亡くなった場合は、空家となることが多いのですが、それでも子供たちに相続させたい、家を残してもらいたいと思う方が多いのが現状です。
もちろん、子供に財産をそのまま残そうとする心情もよく理解できますが、そもそも自分たちの家族で住んでいた頃とは状況が違うので、そのまま相続させたい、残してもらいたいというのが難しいことでもあります。もっと現実的な財産の活かし方を考えた場合、使わない部屋や庭や車庫を持ち続けるよりは、家族に合わせてサイズダウンすることが必要でしょう。
長年住んだ家は役割を果たしたと考えて、必要な人に譲り、自分たちは駅に近いコンパクトなマンションやケア付きの高齢者住宅に住みかえていくのが必要な時代だといえます。
90代のAさん夫婦は、3人の子供とは同居せず、80歳まで店舗付き住宅で衣料品の販売をしていました。
お店を閉めた後もそのまま2階で暮らしていましたが、90歳になると階段を使う生活が負担となり、骨折したことで思い切って夫婦で介護付きの老人ホームに転居しました。父親から後を託されたと60代の子供3人が当社に相談に来られましたので、子供たちも住まない老朽化した自宅を売却することをご提案したのです。