2019.07.26
# 不動産

地面師事件の積水ハウス、エース社員「退任」で広がる社内不協和音

内紛騒動は終わらない
藤岡 雅 プロフィール

裁判所が動いた

筆者は以前の記事(『積水ハウスの地面師事件、ついに「あの土地」と「裁判所」が動いた!』)で、昨年1月のクーデターで阿部会長に賛同し、和田前会長を辞任に追い込んだ稲垣士郎副会長、仲井嘉浩社長、内田隆副社長の3人もまた、地面師事件に際して阿部会長が決裁した稟議書に「賛成」の判を押していたことを指摘した。その後、3人とも代表取締役に昇進。そして今回、報酬が1億円を超えていることがわかった。

積水ハウスの阿部会長〔photo〕gettyimages

また上記の記事で指摘したように、積水ハウスは大阪地裁から地面師事件の「調査報告書」を提出するよう「文書提出命令」を受けていたが、7月に入ってここでも動きがあった。

 

この「調査報告書」は地面師事件の発覚後に発足し、取締役会により承認を受けた「調査対策委員会」により作成されたものだが、阿部氏や稲垣氏ら現在の代表取締役の責任が明記されている。筆者はこの「調査報告書」を入手して、その内容を何度も指摘しているが、積水ハウスはこれをいまだに公開しようとしない。

大阪地裁で公判中の株主代表訴訟でも、大阪地裁が積水ハウスに対して、「文書提出命令」を下したが、積水ハウスは大阪高裁に「即時抗告した」という経緯があった。

その大阪高裁がこのほど判断を下したのだが、結果は「抗告棄却」。大阪高裁は地裁の「文書提出命令」を支持したわけだ。これを受けて積水ハウスは上告せず、ようやく大阪地裁に「調査報告書」が提出されることになるだろう。

しかしこの「遅すぎる開示」に憤るのは株主の一人だ。

「よほど見られたくないことが書かれていたのでしょうが、この非公開を続ける姿勢が、いまの代表取締役の4人への地面師事件の責任逃れという印象を社内に強く与えてしまった。だから一連の人事が、クーデターの論功行賞や現経営陣に反発する人物の〝粛清″と捉えられるなど、経営陣の行動すべてに不信の目が向けられるようになってしまったのではないか」

筆者は「決算賞与」や「役員報酬」についての経緯や認識について、積水ハウスに問い合わせたところ、同社は次のように回答した。

「従業員への賞与支給に関しましては、会社業績やこれまでの支給実績を勘案して決定いたしております。個別の役員報酬の決定経緯に関しましては、回答を差し控えさせていただきます」

SPONSORED