2019.07.26
# 不動産

地面師事件の積水ハウス、エース社員「退任」で広がる社内不協和音

内紛騒動は終わらない
藤岡 雅 プロフィール

経営陣が大幅報酬アップ

このように社内に動揺が広がる積水ハウスでは、いま、経営陣への不満も広がりつつあるという。ある中堅社員が言う。

「うちでは1月の本決算を受けて、3月に『決算賞与』が支給されますが、今年は主要事業の減益を理由に2割も減額されました。その一方で、阿部会長をはじめとする現代表取締役の4人の役員報酬は大幅アップしていたのです。本来、業績不振の責任は経営者にあるはずですが、それを社員に押し付けたのだから開いた口がふさがらない」

 

同社の有価証券報告書によれば、19年1月期に1億円以上の報酬を得たのは、阿部俊則会長はじめ4人の代表取締役であった。

もともと阿部氏は18年1月期に1億8200万円の役員報酬を得ており、その内訳は「基本報酬」が6600万円、「ストックオプション」が1000万円、売上、利益など業績が加味される「賞与」が1億500万円だった。

これが19年1月期には、「基本報酬」と「ストックオプション」こそ前年と同額だった一方、業績連動の「賞与」が、減益決算にもかかわらず1億1000万円と500万円もアップしている。しかも、連続増収増益を記録していた17年1月期から18年1月期の上げ幅よりも、減益に陥った19年1月期の上げ幅のほうが、どういうわけか大きくなっている(以下参照)。

「じつは役員の報酬アップはそれだけではない」とその幹部は言う。

「積水ハウスでは、今期からストックオプションに変わる株式報酬、『譲渡制限付株式報酬制度』が導入されました。従来のストックオプションは、株がもらえるのは役員の退任後でしたが、この改編によって株をすぐにもらえるようになった。30年という長期の譲渡制限がついているとはいえ、経営陣は役員報酬に加え、配当も手にできるようになったのです。

今回、8人の取締役には36500株(約6900万円・7月25日終値換算)が支給される。配当予想は81円ですから、彼らは今期、さらに約300万円の配当を受け取ることになり、今後、その額は株をもらえばもらうほど、増えていくことになる」

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