熱中症を予防するために気をつけること

一度なってしまうと死亡率の高い熱中症、防ぐためにはどのようなことに気をつければよいだろうか。

まずは、暑い時期の昼間の散歩は避けること。

真夏の真昼間だと、アスファルトの温度はかなり高くなっている。犬は地面との距離が近い。アスファルトの照り返しでかなり体温が上がってしまうことが予想される。毛の色が黒い犬も体温が上がりやすい。また足の裏をやけどしてしまう可能性もある。

夕方、気温が下がったあとも、アスファルトがまだ熱をもっていることも考えられるので、自分の手で触って温度を確かめることを習慣にしても良いだろう。

可能であればアスファルトが敷いていない道を選ぶのもおすすめだ。涼しくなった時間帯にドッグランや河川敷で運動不足を解消するのもいい。ただし、その場合はノミやマダニ対策をしっかり行う必要がある。

片川さんの家のシェットランドシープドッグのオグト。ドッグランにて 写真提供/片川優子

ちなみにほとんどの方が、初夏から秋にかけて、フィラリア症の予防薬を毎月飲ませているはずだが、その薬だけでノミやマダニ対策ができるとは限らない。フィラリア症単独で予防する薬だった場合は、別でノミやマダニ対策のスポット剤や錠剤を利用するか、最近テレビコマーシャルでもやっているような、全てを一錠で予防できるオールインワンタイプに切り替える必要がある。

いつも飲んでいるフィラリアの予防薬がノミやマダニにも有効かどうか、ぜひ一度確認してみてほしい

また、熱中症は高温多湿環境下で起こる。特に猫は散歩をしないので大丈夫だと過信しがちだが、湿度が高ければ室内でも起こる危険性はあるので十分気をつけてほしい。暑い日にペットを置いて外出するときや、別の部屋で寝るときは、ペットのいる部屋の温度や湿度に気を配り、必要であれば冷房をつけっぱなしにするとよいだろう。

最後に、熱中症が起こりやすい個体について紹介する。
冒頭で紹介したフレンチブルドッグやパグ、ブルドッグのような鼻が短い犬種、いわゆる短頭種は、鼻や喉に構造上のトラブルを抱えている割合が高い。そういった個体は呼吸によってうまく熱を逃がすことができないため、体の中に熱がこもりやすく、熱中症の危険が高い。

ほかにも、肥満や心臓病、利尿薬を内服している個体は、熱中症になるリスクが高いことが知られている(引用2)

自分の愛犬が上記に該当する場合は、より一層注意が必要であるとともに、もしもの時に備えてかかりつけの動物病院が休みの日や時間外でも対応してくれる病院を探しておくと良いだろう。

繰り返すが、犬は人間よりも体温調節がうまくできず、熱中症の致死率も高い。そして生存率を上げるためには、飼い主がいかに早く冷却処置を行えるか、すぐに病院に連れていけるかがきわめて重要なのだ。

これをきっかけに、なにかあったときの対応を家族全員でいま一度確認してから、安心して夏本番を迎えてみてはいかがだろうか。

人間よりも地面に近いだけでも危険性が高い。それを忘れてはならない Photo by iStock