多額を投じて「社会貢献をしたい」ゲストたち

そして何よりニヒワトゥが他のリゾートとは一線を画するのが、社会貢献という軸です。クロードはニヒワトゥに「スンバ財団」という社会貢献の仕組みを取り入れ、スンバ島の人々を救う挑戦を続けています。

人口60万人の島は貧しく、アフリカを除くと世界で最もマラリア患者の多い地域です。
調査によると、5歳以下の子どもの65%がマラリアにかかっていて、45%の母親が少なくとも一人の子どもをマラリアで亡くしています。水が供給されていない地域もスンバ島には未だ多く、水の浄化と供給路の整備、そして衛生教育は待ったなしです。内情を知れば知るほど、この島には問題が山積していました。

そんなスンバ島に、クロード夫妻は80年代の終わりから6年間、島民と同じ水も電気も病院もない環境の下に住みました。マラリアに幾度もかかり、感染がどれだけ身体を衰弱させるかを身を以て知りました。その教訓がクロードを奮い立たせ、現状をリサーチして解決の方策を探り、そしてスンバ財団のプロジェクト全体をデザインしました。

問題が出ればさらに支援者が増えるという好循環

支援が必要な現場を実際に見ることができ、それが寄付につながる

ニヒワトゥでは、支援プロジェクトが始まる前に実際に現場を目にすることができます。スンバ財団を訪問したゲストが「この村にはまだ水道が通っていません」というような課題の説明を受け、リゾートに戻って水の供給プロジェクトに寄付をする。スンバ財団はプロジェクトの進捗状況をゲストに報告し続け、ゲストはプロジェクトの完成を見にまたリゾートに戻ってくる。

寄付の恩恵を受けた人々の幸せな笑顔に出会い、ゲストはさらに支援したい気持ちになり、再度ニヒワトゥに戻ってくる。このように、成功が積み重なり、問題が出ればさらに支援者が増えるという好循環がニヒワトゥとスンバ財団を取り巻いています。

「『何か支援が必要な課題はありませんか?』『このプロジェクトがどう解決するか見てみたい』と言ってゲストは次の滞在の予約を入れ、進捗を見に戻ってくる。プロジェクトの成果やスンバの人々と接して自分自身の何かが変わり、まるで大きな家族のように課題解決にコミットしていく。その体験を家族や友人に伝え、次は子どもたちをスンバ財団に連れてくる。そうした広がりもリピート率の高さに繋がっているんだ」とクロード。

これからのトラベル市場は、よりニヒワトゥのような方向に向かうとクロードは推測しています。「若い世代はよりエクスクルーシブで、体験型のラグジュアリー・マーケットがトラベルシーンで今、すごい勢いで成長してきている

このようなハイエンドトラベルと社会貢献が抱き合わせになった支援の仕組みは、災害の復興、伝統・文化の維持、過疎地帯の活性化、自然環境の保全など、日本が抱える課題解決へのヒントとなるのでないでしょうか。

世界の先端を行くさまざまなデスティネーションの取り組みから、ハイエンドな価値の創り方を提案。