2022年までに日本円にしておよそ127兆円という成長が予測されているグローバル市場、「ハイエンドトラベル」(富裕層旅行)。世界中の富豪やグローバル・エリートたちにリピートされるリゾートやホテルは、どのようにハイエンドな価値を創り上げているのか。ラグジュアリー・コンサルタントの山田理絵さんが、世界トップレベルのリゾート「ニヒワトゥ」創業者クロード・グレイブ氏に話を聞きました。普段日本のメディアの取材には応じないというクロードさんの貴重な話を掲載します。

リピーター続出のスーパーリゾートの共通点とは

インドネシアのスンバ島にある「ニヒワトゥ(Nihiwatu)」とスンバ財団は、アメリカ人投資家のクロード・グレイブ夫妻が手つかずの島と島民の文化、生活を守りたいとの思いで十数年の歳月をかけて創った、世界でもトップレベルのサステナブル・リゾートです。日本ではあまり知られていませんが、ニヒワトゥは旅行業界の数々のトップアワードを受賞し、ハイエンドトラベラーをはじめ、ラグジュアリーホテルの支配人やトラベルデザイナーなど、世界の旅の上級者たちがこぞって最高のデスティネーションに挙げるほど、一目を置かれている存在です。

今、世界ではニヒワトゥのようなスーパーリゾートが続々誕生し、予約が困難なほどの人気を博しています。中でも人の心を打ち、リピーターが絶えないリゾートには、共通して創設者やオーナーの夢と志があります。

たとえば、インドネシアのアナンバス諸島に2018年に正式オープンした「バワ・リザーブ」は、イギリス人のヨット乗りが、ダイナマイト漁による自然破壊から守ろうと、国に交渉して周辺の6つの島を海洋保護区に指定させ、そのうちの一つの島を手に入れて、水上バンガローを含む35棟のラグジュアリーなエコ・リゾートとしてオープンさせました。

また上海郊外の「アマンヤンユン」は、中国東部のダム建設により破壊の危機に瀕していた歴史的な建造物や樹齢1千年以上の楠の林を守ろうと立ち上がった20代の慈善家が、約15年の月日をかけて50軒の明・清朝の邸宅と1万本の楠を手作業で移植、2018年にアマンリゾーツとしてオープンしました。このように、よいリゾートには人の心を打つ情熱とストーリーがあるのです。