# 政治・社会

民家で行われた腎臓移植手術の後、夫は再び腎臓を取り出された

臓器移植の闇を追って・その2
高橋 幸春

2度の搭乗拒否を経て

18日、そんな状態にもかかわらず帰国を試みるが、中国国際航空で搭乗拒否に遭う。22日、2回目の搭乗拒否。

「夫が重体なのに、Nは夫ひとりだけで帰国させようとしていたのです」

搭乗拒否に遭うのも当然だった。

 

Nからはラインでこんな連絡が入った。

〈私は他の患者様が来られているのでまだ残念ながら直ぐに帰国出来ないのですが、毎日日を置いて元気になられております。〉(2月23日)

〈Nさんは元気になってきていると言いますが、全然違うじゃないですか? なんとか連れて帰って来て下さい。〉(2月26日)

〈術前術後ともにC型肝炎ウィルスはありませんでしたが、腎臓の摘出後山川さんの体にはC型肝炎ウィルスが確認されています。もちろんドナーに関しても徹底的に検査されていますが、肝炎ウィルスはございません。

ドナーにC型肝炎ウィルスがなかったことから、山川さんの体の中に潜在的なC型肝炎ウィルスがあったのではないかと医師が言っています。現在は白血球や血小板の数が不足していることから、点滴により投与されています。命には別状ないと医師は言っております。〉(2月27日)

タイ国際航空に予約を入れたが、テロ事件が発生し、空港は閉鎖された。結局、エミレーツ航空で日本の土を踏んだのは、3月5日夜だった。

「Nが夫に同行してくれましたが、成田空港では『それでは失礼します』と、すまないことをしたと思っているようには全く感じられませんでした」と、良枝さん。

「恫喝」とも思える言葉

その夜、Nから連絡があった。

〈明日無事に万波先生のところに入院出来る事を祈っております。万波先生以外は話が分かりませんので、宜しくお願い致します。万波先生はもう何年も前から、徳州会にも反対派がいるので、周りの目も有り、基本的に突然やってきた医療難民……というスタンスで受ける事に話が出来ているのです。

徳州会病院の中にも反対派の医師や看護師がいるので、突然やって来た、と言う状況で対応する必要がある事をご理解下さい。万波先生も演技が必要なんです! 周りの人間が先生を落とそうとする輩が多々いるそうです。〉

成田空港近くのホテルに宿泊した。

良枝さんは救急病院に入院させようと思った。だが、それをためらったのには理由がある。