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ついにベントレーも参入!「高級EV車」が社会的ステータスになる日

“高級車らしさ”とは何か
御堀 直嗣 プロフィール

新たな「移動の価値」が求められている

それでも、これまで高級車やスポーツカーを主体としてきた自動車メーカーには大きな懸念がある。いかに高級車らしく、またスポーツカーらしくあるかという価値の創造だ。

先に述べたように、EVは軽自動車でさえ上質な乗り心地を得られる。ならば、あえて数千万円を支払って、どこに高級車らしさを感じられるかだ。

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静粛性も快適性も加速性能も、モーターで駆動する点を考えれば、前述のジャガーの最上級車種「XJ」のEV車と同一水準になりうるだろう。しかし、それ以上に価格の高いベントレーは、いかにして圧倒的な高級さを発揮させることができるのだろうか。

EVの商品化に際して自動車メーカーが頭を悩ませるべきところは、軽自動車から大型の高級車まで、快く快適に移動できるクルマとしての新たな価値の創造である。従来、V型12気筒エンジンを小型車に搭載することは、価格的にも車体寸法的にも不可能だった。ところがモーターであれば、軽自動車から高級車まで同様の性能を得られるのである。

 

同じことは、情報・通信のコネクテッドや、自動運転化についても言える。高級車を求める富裕層がいかに満足できるかを考え、電動化や情報・通信、自動運転機能などの要素を作り込まれなければ、高級車の存在価値が問われかねない。

石油の時代といわれた20世紀から、環境の時代となった21世紀のステイタスとは何かがこれから問われる。それは馬車からクルマの時代へ移ったように、新しい移動の価値の創造である。

最上級の高級車のなかでEVに率先して取り組むベントレーから打ち出される提案が、待ち遠しく、そして楽しみだ。