どちらの家庭も幸せにしよう

「はじめはどちらの家庭も幸せにしよう、と思って頑張っていたんです。でも、あたりまえですけど疲れ果ててしまった。一度、起きぬけに相手の名前を間違えてしまったことがあって。相手は顔面蒼白、それ以来、どちらの家で寝ていても熟睡できなくなりました。そんななか、ふと妻が不幸せに見えて。これはよくない、けじめをつけて両方と別れようと思ったんです」

妻は最後まで「離婚したい」とは言わなかったが、透さんが離婚を申し出ると「あなたがそう言うのなら」と受け入れた。離婚にあたって、透さんは貯金を全部渡し、さらに2人分の養育費として月25万円を振り込むことにした。今まで生活費として渡してきた金額だった。

「妻は僕と結婚して以来、ずっと専業主婦でした。離婚したからといって、子どももいていきなり働けるわけ、ないじゃないですか。そのままの暮らしができるようにしてやらなければと思いました」

2回目の結婚

離婚後、透さんはモテにモテた。身長は180センチ近くあり、スポーツマンで、実は養育費を払っているのだけれど、外から見たら高収入。女性の扱いにも慣れている。どんどん女性が寄ってきた。

2度目の結婚相手は10歳年下で、スタイル抜群の美女。遊び相手の一人だった。「飲みに行こう」と誘われて出かけたら彼女の家で、母親に紹介され、そのまま結婚することになった。

それで結婚。ほどなく子どもが生まれた。
これが5人目の子ども。しかし実はその前に他の女性との間にも子どもが生まれていて、認知もしていた。だから子どもは6人になった。

クリスマスは全員の家をまわる

透さんは、どの子どもにもよい父親であろうと努めた。子どもの世話も厭わず、仕事場に連れて行ったことは何度も。子どもは隣のデスクでお絵かきをして、透さんが仕事を終えるのを待っていた。子どもの面倒を見ていたときに急遽、どうしても仕事に行かなければならなくなり、やむなく抱っこ紐で胸に抱えて連れて行ったこともある。幸い、仕事相手は訝しがりながらも「新しいアクセサリーですか」と粋なリアクションをしてくれた。

誕生日のプレゼントは欠かさず、クリスマスは時間を区切ってすべての家を回った。家族旅行も平等に、順番に同じ場所へ泊りがけで出かけた。

「さすがに旅館は変えましたが、同じ海水浴場だから海の家の親父が、毎日来てるのに家族が違うって、変な顔して見てましたね(笑)」

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