「一緒に社会を変えてゆこう」という態度でいたい

――本書に出てくる「男性が敵ではなく、文化が敵だ」というフレーズが印象的でした。最新作「リボンの男」(※河出書房「文藝」2019秋号掲載)もそうですが、山崎さんの作品には「ステレオタイプな男性像」を崩して、男女の垣根を超えていこうというメッセージが含まれているように感じます。

山崎:弱い男性も多くいるし、性別というのはゆるやかな違いだから、男性と女性をきっぱり分けられるわけではないし。決めつけで書くことは避けたつもりです。

例えば痴漢の加害者には制裁が必要です。ただ、痴漢の属性は男性のことが多いけれど、世界に存在する男性の圧倒的多数が痴漢じゃない男性です。

そもそも、属性を責めてはいけない。「男性は悪い」という話には聞く耳を持たない人でも、「一緒に性犯罪について考えましょう」と対話したら変化していく可能性があると思います。

「男性を変えてやる」じゃなく、社会を変える、文化を変える、ということを考えないと、建設的にならないと思うんですね。攻撃しても男性は固くなるだけで、変わらない。

誰に対しても、「一緒に社会を変えてゆこう」という態度でいたいです。私は女性の立場にいないですし、男性女性の立場を超えて、どの性別かに関係なく、一緒に社会を変えてゆこう、というだけでいたい。

自分としては、そういうところに私の仕事があると思っています。