残念すぎる「吉本興業社長会見」芸人の人生を軽く考えすぎではないか

彼らの人権感覚が露わになった
原田 隆之 プロフィール

手のひら返しにも問題が…

その一方で、世間のあまりにも手のひら返しの反応にも首を傾げたくなる。これまで、闇営業に関わった芸人たちを散々批判しておいて、涙にほだされて禊が済んだというのは、ちょっとどうかと思う。

まず、無期限の謹慎や契約解除という当初の制裁が、厳しすぎたことは事実だ。しかし、それを後押ししていたのは、世間の声であった。

彼らがここまで追い詰められて、重罪犯のように吊るし上げられることになったのは、厳しい批判があったからであるし、SNSなどでは、追い詰めて喜んでいるようなコメントも少なからず見られた。

 

反社会勢力とのかかわり、そしてそれを軽く考えて、嘘を重ねたことは確かに問題であるが、ここまで追い詰めて吊るし上げるべきではなかっただろう。

しかし、今度は一転、すべてが許されたような論調が目立つのもおかしい。吉本にはきちんと責任を果たしてもらいたいが、怒りの矛先を吉本にだけ向けて、それでよいわけではない。

あれだけ厳しく断罪する必要はないが、やはり反社会勢力の人々との軽率な関係や、そこで多額の報酬を受け取っていたことの責任はきちんと果たすべきだ。

SNSやネットニュースに気軽にコメントできる時代になって、一時の感情に流されて、次から次へとバッシングの獲物を探しては、叩きに叩くような嫌な世の中になってしまった。

一連の騒動の経過を眺めつつ、ネットの中も違った意味で相当な闇社会だと思わされた。